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山崎元「耳の痛い話」

採用の面接官は、どこをみて何を考えているのか?禁断の必勝法 何をどう訴えるべきか

文=山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表
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採用の面接官は、どこをみて何を考えているのか?禁断の必勝法 何をどう訴えるべきかの画像1「Thinkstock」より

 新学期になって大学のキャンパスに行ってみると、リクルートスーツに身を包んだ就職活動中の学生が多数目につく。昨年よりも短縮されたとはいえ、多くの学生が長い就職活動期間を過ごしている。

 採用の最終的な合否はほとんどの場合、面接の結果によって決まる。これは、面接をする側の人物評価能力を考えると驚くべきことだ。もちろん、「学歴フィルター」と呼ばれるような大学別格差や履歴書段階での評価の差は厳然とあるが、人は面接を経ないと納得して他人を採用しない「面接で決める生き物」なのだ。

 筆者は過去に12回ほど転職しているので、面接を受けた回数は多い。また、自分が面接する側に回ったことも数多くある。本稿では、主に学生に向けて、面接に当たって重要だと思うポイントをお伝えしよう。

最初の5分

 第一に、面接に当たっては最初の5分が決定的に重要だ。心理学の実験では、面接時間の長短とその候補者の採用合否は無関係という結果があるようだが、裏を返せば時間の長い面接はその分だけ無駄な時間を掛けていることになる。そしてこれは、面接する側の気持ちとしては納得がいく。

 面接官は、履歴書の特徴と容姿などから候補者の人物像について一定の仮説を立てようとする。このために掛ける時間はせいぜい最初の5分くらいだろう。そして、残りの時間は、自分の仮説が正しいかどうかの検証をしているというのが、大まかな面接官の思考の推移だ。最初の5分で面接官に好ましい仮説を立てさせることができなければ、形勢を逆転させるのはかなり困難といえる。つまり候補者は、最初の5分に集中すべきである。

 では、その最初の5分で何を訴えるといいのか。面接官が判断したいのは、「仕事を任せるに足る能力の有無・優劣」と「候補者は自分たちの仲間にふさわしいかどうか」の2点に集約される。能力や人柄は、短期間に変えられるものではないが、現在持っているものを前提として、これを効果的に売る商談が面接だ。

「自信」と「敬意を伴った興味」

 相手に、伝えるべきイメージは、第一に自分が求められる仕事ができるということに対する「自信」であり、第二にその会社に対する「敬意を伴った興味」だ。自信のない態度に対して、人は不安を覚える。また、人は自分たちのグループそのものないし仕事に対して尊敬の念や興味を持つ相手に好感を持つ。

 そのため、通り一遍の自己アピールよりも、相手の会社を有効に調べてきたことが伝わるようにすべきである。事前の情報収集では、会社のホームページにあるIR(インベスターズ・リレーション)関連の資料を読み込んでおくのがいい。最新の有価証券報告書と、2~3期分の決算短信くらいは読み込んでおきたい。

山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表

山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表

経済評論家。楽天証券経済研究所客員研究員。(株)マイベンチマーク代表取締役。1958年北海道生。1981年東京大学経済学部卒業、三菱商事に入社後金融関係の会社に12回の転職を経て現職。資産運用を中心に経済一般に広く発言。将棋、囲碁、競馬、シングルモルト・ウィスキーなどに興味
評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」

Twitter:@yamagen_jp

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