お金を稼ぐための手段は一つだけではありません。多くの人は会社に入って働き、その対価としてお金をもらうという稼ぎ方をするでしょう。他にも自分で事業を立ち上げたり、不動産に投資をしたり、物を作って売るなどの方法があります。
その中で、今注目を集めているのが株式投資です。4月10日には日経平均株価が15年ぶりに2万円台を記録。「自分も株をやってみようかな」と思っている人は少なくないでしょう。
しかし、株の世界は簡単に手を出してすぐ成功できるところではありません。
株式スクール冨田塾を運営する個人トレーダーの冨田晃右さんは、株取引で稼ぎ続けるためには投資家ではなくトレーダーを目指すべきだといいます。トレーダーたちはパソコンの画面に映る株価のチャートを見て、株の売買を判断します。常にチャートの変化を把握し、経験と訓練を重ねていく。正面から向き合わなければ、長期的に稼げるようにはなりません。「ラクして儲かる」世界はどこにもないのです。
さて、冨田さんいわく、このトレーダーには向き不向きがあります。では、株価チャートを使ってのトレーダーに向いている人はどんな人なのでしょうか?
■トレーダーに向いている人は「カードゲームが好き」
株式相場の中で利益を得ていくことは、競争に勝っていくこと。自分の手持ちの材料を吟味して今後を予測し、それが当たれば勝ち、外れれば負け…そんな勝負事をドキドキしながら楽しめる人は、トレードに向いていると冨田さんは言います。
これは、カードゲームやテレビゲームが好きな人と通じる傾向です。過去の経験則から勝つためのパターンを導き出して勝負し、勝った時には称賛やご褒美が得られる。そこで感じる喜びはトレードで稼ぐことができたときの喜びと同じなのだとか。
あなたはカードゲームが好きですか?
■トレーダーに向いている人は「過去を楽しむことができる」
トレーダーはチャートを見て日々過ごしていますが、冨田さんいわく、その間難しいことを考えているわけではなく、極端な言い方をすれば「ただ見ているだけ」なのだとか。
では、どうやって株の売買を決断するのでしょうか。
冨田さんは「過去からのパターンを探してくる」という方法でやっています。株価には過去からのある一定の決まった値動きの形があり、その値動きの形によって株価が上がったり、下がったりします。そしてその経験則を踏まえて現在のチャートに当てはめ、似たような形を探すのです。
経験を積めば積むほど、この判断は研ぎ澄まされていきます。いいことも悪いことも含めて、過去を受け止め、楽しむことができるか。それがプロトレーダーとしての資質になるのです。
■トレーダーに向いている人は「競馬場へ行って馬券を買わずに帰れる」
競馬場に行くと、たくさんの人たちが馬券を持って熱狂しています。彼らがそこで見ているのは基本的には自分と馬だけ。そして、レースの合間に競馬新聞を読んで研究し、また自分と馬だけの世界に入っています。
こういう傾向にある人はトレーダーには向いていないかもしれません。常に冷静に周囲を見渡す力が必要なトレーダーは、誰がその場で一番勝っているのか見極めようとします。例えば主催者のJRA、競馬新聞の販売者、ビールや軽食を販売する店など、その場でお金を稼いでいる人たちはたくさんいることに気づくでしょう。