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シャープ解体の“Xデイ” 銀行団が見捨てる日 「張りぼての再建計画」に銀行団が怒り

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シャープ本社ビル(「Wikipedia」より/Otsu4)
 2015年3月期連結当期損益で2,000億円を超える赤字に転落する見通しのシャープ。みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行の2行から計2,000億円の金融支援を取り付けたことで、当面の危機は脱する。ただ、内情は政府が銀行に必死に働きかけたため、2行は渋々応じた格好。「張りぼての再建計画」に2行の幹部は怒りを隠さない。再建計画の過程も一見、銀行主導に映る。シャープ側は当初3月内にまとめる予定だったものの、銀行団から突き返されたため抜本的な構造改革に踏み込まざるを得なかったからだ。

 電子部品の一部工場閉鎖や国内3,000人の人員削減にとどまらず、最終的には会社の象徴である液晶事業の分社化と本社ビル売却も盛り込んだ。結果的には及第点にも映るが、再建案にはカラクリがある。三菱UFJ銀関係者はささやく。

「最大の焦点は業績の浮沈が大きい液晶事業の切り離しだが、難航している。シャープは過半の株式を保って主導権を握りつつ、官民ファンドの産業革新機構からカネを引き出したい。一方、機構側も過半出資を条件にしており早期に折り合うのは難しい状況。それでもシャープ幹部には危機感が見えない。実は分社化の猶予が2年とも3年ともいわれている」

 再建策は液晶事業を分社化して外部資本を注入することで、本体業績への影響を抑えながら新たな事業の柱を模索する構図だ。本来、分社化は早急に手を打たなければならないのだが、異例の猶予期間が設けられた。青色吐息のシャープの数年後など見通せるわけがない。復活に向けた一歩が踏み出せない状況では、再建策が画餅に終わる可能性が高まる。

 では、なぜ銀行団はこのような計画を飲まざるをえなかったのか。背景には一部週刊誌で報じられているが、首相官邸の力が作用したとの見方が支配的だ。全国紙記者も漏らす。

「官邸はとにかく、アベノミクスに水を差されたくない。銀行団が匙を投げてシャープが破綻したり、事業を切り売りしたりする方向に話が進めば、景気は冷え込み政権の屋台骨が揺らぎかねない。水面下で官邸から2行に強力な要請があったと聞いています」 

巨額減資で苦境鮮明に


 シャープは1,200億円以上ある資本金を1億円に減資する方針も決めたが、これも各方面の思惑が錯綜した結果だろう。税制優遇措置を受けられる資本金1億円まで減資することで、剰余金に振り替えて赤字を補てんする格好だ。だが、「累積損失を減らして再建が容易になる」と額面どおり受け止める向きは少ない。