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流行の“炭水化物抜き”ダイエットは超危険!体臭悪化、かえって肥満、脳や体の機能低下

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「Thinkstock」より
 世の中に氾濫するさまざまなダイエットのうち、昨今広く受け入れられており、実践している人も多いものとして「糖質制限ダイエット」がある。「炭水化物抜きダイエット」とも呼ばれている。糖質制限ダイエットと炭水化物抜きダイエットは厳密にいえば多少異なるが、実際のところはほぼ同じ意味で使われているので、ここではまとめて論じることにする。摂取する糖質、炭水化物を制限することで痩せようという方法だ。

 しかし、このダイエット法は多くの危険をはらんでいる。なぜなら、炭水化物はたんぱく質、脂質と並んで、体に必要な3大栄養素の一つだからだ。炭水化物をまったく摂取しなければ、かえって健康を害することになる。

 しかも、十分な栄養管理をするわけでもなく、「炭水化物さえ摂らなければ、ほかのものはなんでも食べてよい」という誤った考え方に基づいて食生活を送っている人が多い。

 炭水化物は消化吸収されて糖に変わり、体や脳の活動エネルギーとなる。したがって、炭水化物が不足すれば、脳や体の働きに悪影響を及ぼすことになる。具体的には、集中力が落ちて勉強や仕事の効率が悪くなる。筋力が落ちて運動するのが億劫になる。また、体は糖の代わりに脂肪を分解してエネルギーにするため、その際にケトン臭を発生する。いわゆるワキガの元だ。ケトン臭は口臭や汗、尿などのにおいも悪化させる。このような害を避けるためにも、炭水化物はある程度食べるべきだ。

 では、なぜ炭水化物抜きダイエットは、ここまではやったのだろうか。炭水化物は、一般的な食事のカロリーの50%を占めるといわれており、これを制限することで簡単に摂取カロリーを抑えられるからだ。また、炭水化物を多く食べると脂肪になりやすいため、これを防ぐ効果もある。実際に炭水化物を制限すると、極めて簡単に体重が落ちる。そのため、「炭水化物ダイエットは有効」という話が広まってしまったのだ。

 だが、この炭水化物抜きダイエットによって痩せた場合、リバウンドしやすいという指摘もある。なぜなら、炭水化物が不足すると体は「飢餓状態」だと判断し、かえって脂肪を蓄えようとするのだ。一時的に体重が落ちても、脂肪がつきやすい体質になってしまっては元も子もない。

 さらに、炭水化物を摂らない食事を実践しようとすると、肉や魚などのたんぱく質の摂取割合が増えることになる。動物性たんぱく質が増えると、胃腸などの消化器系や、腎臓にも負担がかかる。

 このように、炭水化物を抜くのは多くのデメリットがある。そもそも、ある栄養素を制限したり、一つの食品のみをひたすら食べるといった偏った食事は、健康を害する可能性が高い。どうしても炭水化物を制限する必要がある場合、お米の摂取量を1~2割減らす、白米を玄米に代えるなど、現在の食生活を「少し改善する」程度にとどめるといいだろう。
(文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター)