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日本郵政の暗部が露呈!パワハラ蔓延、過酷ノルマ&労働環境…裁判多数で上場に影響か

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郵便局(「Wikipedia」より/Ujiie2007)
 東京証券取引所(東証)で今年最大級のIPO(株式上場)といえば、今秋に予定されている日本郵政の上場だ。6月30日、同社は、持株会社(親会社)である日本郵政と、2つの金融子会社(ゆうちょ銀行、かんぽ生命)の同時上場を東証に本申請した。

 親子3社同時上場は前例がないが、多くのマスコミは「1987年のNTT以来の大型新規株式公開(IPO)が本格的に動き出す」(6月30日付日本経済新聞電子版)などと囃す一方で、「上場後の株価が低迷すれば実体経済への悪影響も出かねない。それだけに、経営への様々な懸念を上場前にできるだけ晴らしておくことが重要だ」(4月4日付同紙)と課題を指摘している。そしてその株価を左右する肝となるのが、収益力と成長戦略である。

 上場後は、それによって集めた資金を使ってしっかり稼ぎ株主に還元する必要があることはいうまでもない。しかし、日本郵政には、株主以外にも大切なステークホルダー(利害関係者)がいる。それは、日本郵政のユニバーサルサービスを利用する人たちだ。現在、全国津々浦々に郵便局があり、人々はゆうちょやかんぽを利用でき、離島にも山村にも郵便が届く。こうした全国一律のサービスは、ゆうちょ・かんぽと郵便を一体で営むことで維持されてきた。

 日本郵政だけでなく金融子会社を同時に上場させることで株主の声が大きくなれば、その株主が「ゆうちょやかんぽの稼ぎを、非上場の日本郵便に回すな」と言い出すことは必至で、全国一律サービスの維持は難しくなる。

 東証の斉藤惇CEO(最高経営責任者/当時)も2月24日の記者会見で、「(日本郵政は)グループの収益の大半を金融子会社2社が占めていながら、将来的には金融子会社2社がグループを離脱する」「後世に禍根を残してしまうと、せっかくのチャンスがピンチになりかねない」と懸念を表明し、「正しいプライシング(株式公開価格の決定)、そして情報公開を徹底してほしい」と注文をつけた。

 だが現実は、東証の求める「情報公開の徹底」とはほど遠い。

過労自死事件


 6月11日夜、郵政産業労働者ユニオン(郵政ユニオン)の電話が鳴った。「A郵便局(仮名)集配の社員」からの悲痛な内部通報だった。

「今日、かもめ~るの売り上げが低い者4人が局長室に呼ばれ、局長から、『おれはひとり殺したことがある。おまえらわかっているだろうな。今日ゼロだったら帰さないからな』と言われました。だから自分で買いました」

 某県のA郵便局の局長は、関係者の間ではちょっとした有名人だった。過労自死の遺族が日本郵便の責任を問うて起こしたさいたま新都心郵便局裁判(さいたま地裁係争中)で、遺族側の準備書面にもその名が登場する。

 さいたま新都心郵便局には、過大な営業ノルマがあり、未達の者は怒鳴られ、朝礼の際、台に上がって謝罪させられてきた。社員たちはこの台を「お立ち台」と呼び、それは怨嗟の的となってきた。ちなみにこの「お立ち台」は、「月刊宝島」(宝島社)に筆者の記事が掲載された後、日本郵政の西室泰三社長が「あってはならない」と厳命し、ようやく廃止された。A局局長は、以前さいたま新都心局で第一集配課長を務め、その際に過労自死事件が起きている。

 部下を死なせたことを悔いるどころか、「ひとり殺した」と吹聴し、それをノルマ達成の脅し文句に使うなどということがあるのか。