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ワタミ、破綻へのカウントダウン目前か 株式市場で先を見越した動きも

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和民の店舗(「Wikipedia」より/Asanagi)
 居酒屋「和民」などを展開するワタミが、経営の厳しい状況を続けている。

 2015年3月期に128億円の最終損失を計上し、前年の49億円の赤字から損失額が拡大している。昨年11月に不採算だった102店舗の閉鎖を表明したが、今年2月にはさらに85店舗を新たに閉鎖することを軸としたリストラを発表している。2年で3割近く減る計算だが、改善のメドが立っていない。

 15年3月期の決算短信には「継続企業の前提に関する重要事象等」が記載された。これは企業の存続に黄色信号がともったことを意味し、財務状況も不安定になっている。今期に入っても国内外食事業で、15年4~9月に既存店売上高が前年同月を超えた月は一度もない。

 ワタミは創業者である渡邉美樹氏が一代で築いた外食チェーンで、顧客重視の方針などが消費者に受け入れられて急拡大。13年3月期には営業利益が93億円に迫る高収益企業となった。介護事業や宅食事業にも進出するなど多角化も進めた。

 一方、ワタミの経営方針に従業員が疲弊。所定外労働を強制した事実が明らかになるなど「ブラック企業」として世間の批判を受けた。

 さらに渡邉氏が参議院議員になり経営の一線から離れると、店舗のマネジメントにも影響が出始めた。14年4月には主力業態の「和民」のメニューを15%値上げする一方で、品質を向上させることで集客増を狙った。しかし、15年3月期の既存店売上高はむしろ低迷。同売上高は前年比7%減となった。今年4月には逆に値下げを敢行したが、客離れに歯止めがかかっていない。

 こうした苦境を打開するため、介護事業「ワタミの介護」の全株式を損保ジャパン日本興亜ホールディングスに売却すると発表した。16年3月期に約130億円の売却益を計上する見通しで、最終損益は3期ぶりに黒字に転換する見通し。財務悪化に歯止めがかかり、取引銀行からの融資は継続される可能性が高まった。

戻らない客足


 しかし、11月11日に発表した第2四半期(4~9月期)決算も赤字だった。営業利益は当初3億円の黒字転換を見込んでいたが、14億1600万円の赤字となった。店舗閉鎖によるコスト削減35億円など黒字化に向けた改善計画を策定し、販売方法の見直しや、店舗配送方法の工夫などを実施したものの、客足が戻らない。宅食事業も想定以下だった。