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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

中国の経済発展は、世界的な食糧危機&資源不足をもたらす!対立激化で不幸を生む!

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「Thinkstock」より
 2015年も年の瀬が迫ってきたが、今、世界は大きく動き出している。一言で言えば、「グローバリズムの終焉」を迎えているのだ。


 もともと、第二次世界大戦後の世界は、「西側」と「東側」という、2つの政治体制・経済体制の対立構造にあった。つまり、資本主義・自由主義陣営(西側)vs.社会主義・共産主義陣営(東側)という構図である。

 簡単に言えば、西側はアメリカを中心としたヨーロッパ諸国や日本、東側は当時のソビエト連邦を中心に中国や東ヨーロッパ諸国だが、この対立は1990年代初頭に崩れることになる。

 中国は改革開放路線に伴い、89年に天安門事件が発生した。また同年、ベルリンの壁が壊され、東西ドイツが統一している。そして、91年のソ連崩壊によって、資本主義陣営の勝利が決定づけられたといっていいだろう。

 そこから始まったのが、現在のグローバリズムの動きである。「これからは、世界はひとつのルールの下に動く」という前提で、世界経済が構築されることになったわけだ。

 また80年代、アメリカではいわゆる「シカゴ学派」と呼ばれる経済学が台頭していた。これは、基本的には市場原理に任せる新自由主義を是とするもので、「民間中心の経済体が正しい」という考え方である。これにより、「金融のグローバル化」という、新しい資本主義の形態が提示されたといってもいい。

『余命半年の中国経済 これから中国はどうなるのか』(渡邉哲也/ビジネス社)
 そして、アメリカを中心に、世界の投資銀行が世界中に投資を行い、アメリカの決めた投資ルールの下で世界が動いていた。

 しかし、長く続いたこの体制も、07年にアメリカで発生したサブプライムローン問題や、翌08年のリーマン・ショックによって否定されたといえる。行きすぎた資本主義や自由主義は、「自由vs.自由」という対立を生じさせ、過度な競争を招く。そして、ついに限界を迎えて崩壊に至ったわけだ。

 世界的な不景気を招いたリーマン・ショックなどにより、「行きすぎた自由や競争は、大きなリスクを伴う」ということが、世界中で認識されるようになった。

統合の夢が果てつつあるヨーロッパ


 また、ソ連崩壊後のヨーロッパも、大きく変化することになった。いわゆる外敵がいなくなった後、ヨーロッパはアメリカに対抗し得る経済体を構築するため、諸国が連携する方法をとった。93年にEU(欧州連合)が発足し、02年から統一通貨のユーロが流通したのには、そういった背景もある。

 その時点では、「ヨーロッパは、このままひとつになるのか」とも思われた。しかし、リーマン・ショック後の10年には、ギリシャ危機に端を発するユーロ危機が訪れ、その後もヨーロッパ経済は揺れ続けていることから、統合の動きは否定されつつある。