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ユニクロ、「違いがない」ジーユーと「共食い」で不振深刻…値上げで客が強烈な拒否反応

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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 売上高の成長率が落ち込んだ理由のひとつは、値上げにあります。値上げにより客離れが発生しました。もうひとつの理由は、ジーユーとの競合です。ジーユーは大幅な増収増益で、好調な業績を続けています。16年9月末時点で341店舗を出店しています。年間40~50店舗の出店を継続しています。

ユニクロとジーユーの違い

 ここで、ユニクロとジーユーの戦略の違いを見ていきます。ユニクロはベーシックファッションで、ジーユーはトレンドファッションです。価格は両者とも低価格を志向していますが、ジーユーのほうがより低価格です。多少の違いはありますが、大きな違いがあるとはいえません。似たようなブランドという認識が一般的ではないでしょうか。

 両者はカニバリゼーション(共食い)しているといえます。ユニクロとジーユーは意図的に近隣に出店する戦略をとっていました。たとえば、ビックロ ユニクロ 新宿東口店では、同じビル内にユニクロとジーユーがあります。東京・池袋ではユニクロとジーユーが隣同士です。このような例が多数あります。

 当初のジーユーは認知度が低かったため、ユニクロと近接して出店することでユニクロの系列ブランドとして訴求することができました。また、人員を融通しあうことも可能でした。それぞれが離れ離れで出店するよりも、メリットがあったといえます。

 しかし、ジーユーがある程度認知されるようになると、そのメリットは薄まっていきます。ジーユーの快進撃は、ユニクロを脅かすようになってきました。相乗効果よりも、カニバリゼーションが勝ってしまう危険があります。

 ユニクロが値上げに走った理由のひとつが、ジーユーの快進撃にあると考えられます。価格帯は若干の違いがありますが、低価格帯とひとくくりにできる程度です。そこで、ユニクロを中価格帯寄りに移行させようとしたと考えられています。

 ファストリのラインナップは、中価格帯が真空地帯となっています。「セオリー」「コントワー・デ・コトニエ」「J Brand」はどれも高価格帯で、テイストもそれぞれ異なります。しかし、ユニクロとジーユーは低価格帯で似たようなテイストです。そのため、ユニクロを中価格帯に移行させることは理にかなっているといえるでしょう。

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