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オーバーブッキング以外の対策
航空会社は、オーバーブッキングのほかにもノーショーの対策を練っている。予約前払金(デポジット)をはじめ、予約変更や取消の場合の手数料を徴収して、機会損失を最小限にすることを試みている。ノーショーをしづらくしてしまうという考えだ。予約変更の頻度が比較的多いファーストクラスやビジネス旅客運賃では、前払い金も取消手数料も一切かからず、至って使い勝手のよいな運賃だ。
しかし、厳しい運賃規則を導入しない代わりに、運賃を高額にしてノーショーのリスクヘッジをしている。また一部の航空会社は、取消や予約変更手数料とは別に、ノーショー・ペナルティー料金なるものまで徴収している。
一方これとは別に、格安運賃のLCCでは、予約と同時に運賃決済が必要になる制度を導入し、しかもその運賃を払戻不可としてノーショーによる機会損失を完全になくすことに成功している。ノーショーすれば、購入した航空券はただの紙切れ同然になってしまう。つまり、ここではすべての座席を“売り切る”販売手法が取られている。LCCは、顧客に予約変更の権利を放棄させる代わりに格安運賃を提供していることになる。最近では、フルサービスの航空会社も、このようなLCC運賃モデルをエコノミークラスのベーシックフェアー(格安運賃)に導入し始めている。
(文=牛場春夫/航空経営研究所副所長)
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