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超高収益JALへの「特別待遇措置」…法人税減税、借金5千億棒引き、46万人の株主に損失

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日本航空機(「wikipedia」より」

 日本航空(JAL)は4月1日付で、赤坂祐二常務執行役員が社長に昇格し、植木義晴社長は代表権のある会長に就く。

 経営企画部門が本流だったJALで、整備部門出身の赤坂氏の抜擢を意外とする向きもあるが、JALが2010年1月に会社更生法の適用を申請した後は、現場派が社長に就いている。

 倒産後、社長に就任した大西賢氏は整備出身。その後を継いだ植木氏はパイロット出身。整備本部長の赤坂氏の起用は、“現場主義”の継続といえる。

 赤坂氏は東京大学大学院工学系研究科航空工学専修コース修了後、1987年に技術系総合職(現在の業務企画職技術系)としてJALに入社。整備士として機体の整備に従事した。JALが倒産したときは、安全推進本部部長兼ご被災者相談部長を務めていた。

 会社更生手続き終結後、植木社長の下で14年4月、執行役員および航空機整備会社JALエンジニアリング社長に就任。16年4月からJAL常務執行役員。現在はJALの整備本部長とJALエンジニアリングの社長を兼務している。

 経営破綻直後に会長を務めた稲盛和夫氏が京セラから持ち込み、JAL再生の原動力となった「部門別採算制度」(アメーバ経営)と「JALフィロソフィ」(経営哲学)について、赤坂氏は社長交代会見で「今でも各職場では、毎朝『フィロソフィ手帳』を読んだり意味を確認したりしている。そうした地道な努力を継続してやっていく」と述べ、引き続き経営の根幹に位置付ける姿勢を示した。稲盛経営哲学の実践者であることがJALの社長になるための必要十分条件といえる。

JAL本流の企画、営業系の巻き返しが始まる

 ダークホースだった赤坂氏が社長に決定したことで、さっそく「植木院政のための人選」と取り沙汰され、次のトップ(ポスト赤坂)争いが混沌としてきた。

 倒産後、傍流である整備、パイロット出身のトップが続いたため、経営再建のメドが立ったら企画、営業系の、いわゆるJAL本流に大政奉還されるのが既定路線といわれてきた。経営中核の経営企画部門は、経営再建のために乗り込んできた稲盛氏に「JALの諸悪の根源」として解体されたため、復権は悲願である。

 JALのエリート集団である経営企画が復活の切り札としている人物は、大貫哲也氏だ。JALが倒産したとき、経営企画室部長兼経営企画室事業計画・渉外グループ長、経営企画本部事業計画部長として経営中枢の事務方を仕切り、将来の社長候補といわれてきた。

 稲盛氏体制下で、経営企画や営業の幹部は次々と放逐された。大貫氏は13年、ジェイエア社長に転じた。ジェイエアは大阪国際空港をベースに短距離輸送のリージョナルジェットでJAL国内線の3割を運航している。いわば“島流し”である。

 稲盛氏から経営のバトンを引き継いだ植木氏はパイロット出身であり、現場派は専門職であって経営企画や営業のような総合職ではないため、経営を担う人材が育っていないという弱みを抱えている。

 植木氏が現場派から引き上げたのが、CA(客室乗務員)出身の大川順子氏だ。倒産後、執行役員客室本部長に就任。植木氏体制下で常務執行役員、専務執行役員、取締役専務執行役員と昇進を重ね16年4月、代表取締役専務執行役員コミュニケーション本部長に就任した。JALの歴史のなかで代表権を持つ女性役員は初めてのことだ。

 大川氏は東京2020オリンピックパラリンピック推進委員会委員長を兼務する。東京オリンピックに外国人観光客を迎えるJALは、社長に大川氏を起用するのではないかとの見方があった。JALで女性社長が誕生すれば、「女性を冷遇している」との海外の評価を払拭できる絶好のチャンスだった。しかし、パイロットとCAは、いわば“身内同士”の関係で、大川氏の起用には慎重にならざるを得なかった。そこで、現場派から整備出身の赤坂氏の抜擢となったわけだ。

 いかんせん、現場派は大川氏以外、“社長候補”のカードが残っていない。しかも、大川氏は63歳で、次を狙うのは難しいとの見方が大勢を占めている。ポスト赤坂をめぐり、企画と営業という、いわば本流の蠢動が始まるのは確実だ。

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