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月商500万円の会社でも年商1億円に成長する「ビジネスモデルのつくり方」

「俺のイタリアン」をまねて失敗したから揚げ店の悲劇…「同業種の成功に学ぶ」の罠

文=編集部
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「俺のイタリアン」をまねて失敗したから揚げ店の悲劇…「同業種の成功に学ぶ」の罠の画像1『すぐに1億円 小さな会社のビジネスモデル超入門』(ダイヤモンド社/高井洋子)

 今や「良いモノやサービスを提供すれば売れる」「安くすれば売れる」という時代ではなくなった。資金や設備が整った大企業ですら苦戦を強いられているなか、個人商店や中小企業も無策のままの経営では立ち行かなくなっている。

 会社や事業の規模の大小にかかわらず、戦略は必要だ。その戦略の中核を成すのが「儲かる仕組み=ビジネスモデル」である。モノ余りの現代にどうやって売って儲けるかは、「ビジネスモデル」のつくり方次第だといっても過言ではない。

 そんなビジネスモデル構築のノウハウを、『すぐに1億円 小さな会社のビジネスモデル超入門』(ダイヤモンド社)から紹介していこう。

 著者の高井洋子氏は、株式会社Carityのトップコンサルタントとして辣腕を振るい、800社以上の経営者や経営幹部が集う「No.1ビジネスモデル塾」の講師も務める、ビジネスモデル構築や経営戦略のスペシャリストである。

 第3回となる今回は、ビジネスモデル構築で失敗しないためのポイントを紹介していこう。

「俺のイタリアン」をまねて失敗した唐揚げ店

 継続的に売り上げを伸ばしていくためには、ストック化できるビジネスモデルをつくることが重要だ。しかし、一口に「ビジネスモデルをつくる」といっても、簡単にアイデアが浮かばないこともあるだろう。

 そんなときにしてしまいがちなのが、同業種で成功しているビジネスモデルをまねることである。

 本書では、ある唐揚げ店の失敗談が取り上げられている。勉強家で情報通でもあった、その店のオーナーは、一流シェフの料理が立食形式で楽しめる「俺のイタリアン」のビジネスモデルに目をつけ、唐揚げの立食店をオープンすることにした。

「俺のイタリアン」のように駅に近い立地に店を構え、立食形式で回転率を上げ、お手本にならって唐揚げをリーズナブルな価格設定にしつつ、粗利益が取れるハイボールと組み合わせたのだ。

 狙い通りにオープンから店は繁盛したが、ほどなくして「立食は足が痛いから椅子が欲しい」「せっかくなら定食が食べたい」という要望が増え、オーナーはその要望に応えていった。

 その結果、「俺のイタリアン」とはかけ離れた、回転率が悪く売り上げが上がりにくい小さな定食屋になってしまったのである。このオーナーが失敗した原因は、「俺のイタリアン」のビジネスモデルの表面だけをなぞって、大事なポイントを見落としていたところにある。

 そのポイントとは、「感情ニーズ」だ。「俺のイタリアン」は、仕事をして家に帰る際の「電車に乗る前の駅付近」に出店している。一方、唐揚げ店のオーナーは、仕事が終わり電車に乗って降りた「家に近い駅付近」に出店していたのだ。

 前者は、家に帰る前に軽く飲みたい客に狙いを定めている。後者は、図らずもゆっくり食事をしたい客がターゲットになってしまった。同業種のビジネスモデルを安易にまねると、こうした盲点に気付けないことが多い。それは、ときにビジネスモデルとして致命的な欠陥を抱えてしまうことになる。

 高井氏は、「自分の手で自社に合ったオリジナルのビジネスモデルを構築していくことが大切だ」と説く。その上で、他社のビジネスモデルを参考にするなら、同業種ではなく異業種を参考にするほうがオリジナルのヒントを得やすいという。

 飲食店なら、建築業やアパレルなど、まったくかかわりのないような業種のビジネスモデルを研究してみるといいだろう。

「置き換えの法則」でヒットした「フルグラ」

「ストックビジネス」の要諦は、継続して売り上げが出る「本命」の商品やサービスを売ることにある。この商品やサービス選びを間違えると、儲けが出にくいビジネスモデルになってしまう。

 本書では、漢方・整体サロンがその一例として取り上げられている。このサロンのオーナーは、継続商品として「オリジナルの漢方を売りたい」と考えていた。確かに、オリジナルの漢方は仕入れ商品に比べて粗利が出るので儲かる。しかし、継続には向いていない致命的な欠点があった。

 なぜなら、一般的な認識では漢方は「薬」であり、効果が実感できたり体質が改善されたりすると、その時点で継続されなくなってしまうからだ。事実、このサロンで漢方を販売すると、客から「いつまで飲み続ければいいですか?」と聞かれることが多かったという。

 では、継続して売れ続ける商品をつくるにはどうすればいいのだろうか。そこで有効なのが、「置き換えの法則」である。

 多くの人は、お金を支払うことに精神的な苦痛を感じる。その苦痛を回避する感情が購買にブレーキをかけるのだが、生活に必要なものや欠かせないものであれば、出費に対して苦痛を感じることはない。

 そこで、自社の商品やサービスを「何かほかの必要なものと置き換えられないか?」という視点で考えてみるのだ。菓子メーカーのカルビーで人気商品となっている「フルグラ」は、置き換えの成功例だ。

 発売当初、「フルグラ」はただのシリアルとして販売され、売り上げは良くも悪くもない商品だった。しかし、朝食の置き換え商品としてリニューアルを図ったことで爆発的に売れたという。

 自社の商品やサービスが「本命」になるかどうかは、継続して売れるかどうかがポイントだ。もし、継続に適していない場合は、別の「本命」を選ぶか、「置き換えの法則」で売り方を見直してみるといいだろう。
(文=編集部)

(第4回へ続く)

※本記事はPR記事です。

BusinessJournal編集部

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