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ティラミス“商標横取り”騒動、HERO’Sは「企業戦略」との回答…常習との指摘も

文=A4studio
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ティラミス“商標横取り”騒動、HERO'Sは「企業戦略」との回答…常習との指摘もの画像1「HERO’S」のティラミス
ティラミス“商標横取り”騒動、HERO'Sは「企業戦略」との回答…常習との指摘もの画像2“元祖”「ティラミスヒーロー」のティラミス(公式サイトより)

 1月20日、東京・表参道に「HERO’S(ヒーローズ)」というティラミスのテイクアウト専門店がオープンした。

 瓶入りのティラミスには味が8種類あり、瓶にはヒーローのコスチュームに身を包んだ猫のキャラクターがあしらわれている。4個セットが3000円(税別)と、やや高価に感じられるが、SNS映えするパッケージもあいまって特に女性から好評を集めるだろうとみられていた。

だが、このHERO’Sは、既存のティラミス専門店の“パクリ”ではないかと指摘され、インターネットを中心に瞬く間に炎上状態となった。

 さかのぼると、まずは2012年8月に、このHERO’Sとは無関係なティラミス専門店「The Tiramisu Hero」がシンガポールで創業し、翌年8月には「ティラミスヒーロー」として日本でも販売を開始。実店舗は構えていないものの、商品は通販や百貨店などで購入できた。

 HERO’Sとティラミスヒーローは、その名称のみならず商品コンセプトや猫のキャラクターまでもが酷似している。さらに、HERO’Sは公式サイトで「ティラミスヒーローズがテイクアウト店舗としてのFC募集開始!」(原文ママ、以下同)と謳い、さらなる展開に意欲を見せた。

 一方でティラミスヒーローの日本支店は昨年末、公式サイトで「ティラミスヒーローの名称にてフランチャイズや代理店の募集が、ネット等でなされておりますが、シンガポール本店『The Tiramisu Hero』並び、当社(日本支店)とは一切関係ありません」と強調。

 それだけでなく、「2012年にシンガポールでつくった私達のオリジナルの『ブランドロゴ』がコピーされ、只今日本で使用できなくなってしまいました。私達が大好きな日本でこのような事が起きた事を、大変残念に思っています」と、HERO’Sの展開によって従来の商標およびロゴを使えなくなる被害を受けたと訴えた。そしてティラミスヒーローは新たなサイトを立ち上げ、商品名を「アントニオヒーロー」及び「ティラミススター」に改める事態となった。

商標制度の穴を突いたHERO’Sに「志の低いやり口」と批判

 ティラミスヒーローが訴えている“オリジナルの「ブランドロゴ」のコピー”や、商品の改名が意味するものは何か。

 ここで特許情報プラットフォームを参照すると、「ティラミスヒーロー」という名前が昨年3月に、猫のキャラクターがデザインされた「THE TIRAMISU HERO」のロゴは同年8月に、それぞれ商標登録されていたことがわかる。

 これらの商標を出願したのは、パンケーキ店を国内外で60店舗(昨年12月末時点)運営する株式会社gram。同社の代表取締役である高田雄史氏は、株式会社HERO’Sでも同じ役職を務めており、この商標登録によって“元祖”ティラミスヒーローの動きを封じたという見方ができそうだ。

 法的な問題をクリアしているとはいえ、そんなHERO’Sの姿勢を「志の低いやり口」と断罪したツイッターユーザーのツイートは、22日20時の段階で5万5000回以上リツイートされるほどの反響を呼んでいる。

 HERO’S公式サイトは21日、「多彩なキャラクターと本物のティラミスの味わいを特徴に、『ティラミスヒーロー』やキャラクターの商号・ロゴを取得して展開を進めております」「他社のティラミスに関する商品とは関係ありませんので、他社の商品と混同されませんようお気をつけ下さい」などとアピールしたが、“他社の商品と混同”されかねない真似をしているのはHERO’Sのほうだとして、事態が収まるどころか、さらに批判の声は高まった。

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