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弁護士“余剰”加速、半数が年所得400万円以下…現行司法試験組は“豚バッジ”とバカにされ

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「gettyimages」より

 今期の冬ドラマは、いわゆる“弁護士もの”が豊富だった。『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)、『グッドワイフ』(TBS系)、『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)と毛色は違うものの、弁護士をメインに据えたストーリーが展開され、毎回ドラマのなかの弁護士たちは難易度や専門性の高い事件を鮮やかに解決し、華々しく活躍しているように見えた。しかし、現実はかけ離れている上に「貧困化」の危機も迫っているという。

弁護士の半数が年間所得400万円以下?


「今、弁護士の1年当たりの所得の中央値は実に約400万円です。弁護士の半数が平均的サラリーマンを大きく下回る収入で働いていることになります」

 そう語るのは、弁護士の実態を取材したルポ『弁護士の格差』(朝日新書)を上梓したフリージャーナリストの秋山謙一郎氏だ。400万円という数字は、2014年に国税庁が発表した「所得種類別、所得金額」を分析して算出したものだという。

 実際、日本弁護士連合会(日弁連)が発行する『弁護士白書2015年版』の所得に関するアンケートによると、回答者3128人中666人が「年間所得200万円以上500万円未満」と回答している。さらに、「年間所得額200万円未満」が466人、「0円以下」は79人と、弁護士の厳しい現実は数字にも表れている。

「弁護士が高収入職業の代表格だったのは、せいぜい1990年代のバブル崩壊前後まで。2000年代に入ると所得は減り続けています。弁護士が“稼げるエリート”である時代は終わりを告げ、ともすればブラック企業並みの低所得になる可能性がある職業になっているのです」(秋山氏)

 弁護士のワーキングプア化が進んだ原因は、1999年の司法制度改革にある。

「99年から始まった司法制度改革によって、法曹人口拡充のための司法試験合格者の増員や日本版ロースクールである法科大学院の設置が行われました。この改革により、弁護士の数を爆発的に増やすことになったのです」(同)

 日弁連によると、50年に5827人だった弁護士人口は、以降ゆるやかな右肩上がりを続けていたが、99年の司法制度改革を境に急上昇。改革から20年もたたないうちに2倍以上になり、2018年3月現在、弁護士数は男女合わせて4万人を超える。

「年々増え続ける弁護士ですが、その市場は横ばい。今後、爆発的に需要が増える兆しも今のところありません。ベテランも若手も関係なくパイの奪い合いになっています。さらに、『弁護士白書2016年版』によると、弁護士人口は23年には約4万4000人、38年には約5万8000人と増加し続け、6万人を超えると予想されている。さらなる供給過多に陥ることは目に見えています」(同)

 弁護士が増えすぎた結果、なかには仕事を取れずに低所得を余儀なくされる人も出てきているのだ。

弁護士余剰で就職すら難しい時代に


 弁護士余りの時代では、低所得どころか就職もままならない弁護士も出てきているという。

「“イソ弁”(居候弁護士)と呼ばれる、一般企業でいうところの正社員扱いで弁護士事務所に勤めるという雇用形態が少なくなり、完全歩合制で法律事務所の軒先を借りているだけの“ノキ弁”や、司法修習修了後に即独立する“ソクドク”などの非正規雇用が増えているんです」(同)

『弁護士の格差』

弁護士の価値が軽くなったという。かつてこそ“プラチナ”資格といわれたものの、今では、“シルバー”、なかには“銅”とまでいう向きもある。スキル格差、費用格差、経済格差に意識格差、これらのさまざまな格差はいかにして生まれたのか? 政治と同じく、日常生活に密接に繋がっている司法に対し、今こそ真正面から向き合うべき時だ――。

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