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人材派遣会社が“人材不足”でバタバタ倒産している…企業のAI活用→人員削減も追い打ち

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「gettyimages」より

 人手不足倒産の増加や高水準が続く有効求人倍率などを背景に、労働者派遣業に対する需要が高まっている。景気動向指数を見ても、近年は労働者派遣業が全体を上回っている状況だ。一方で、中小・零細企業を中心に派遣業者の倒産が増加している。

 帝国データバンクは、2008年以降の労働者派遣事業者の倒産動向について集計・分析した【※1】。それによると、18年の「労働者派遣業」の倒産件数は前年比2.7%増の76件で、3年ぶりに増加に転じた17年を上回った。

 負債規模別に見ると、18年は「5000万円未満」の倒産が68.4%(52件)を占めており、過去最多タイ。小規模倒産は15年以降に増加傾向で、17年に初めて構成比が70%を超えており、高止まりしている状態だ。

 帝国データバンク情報部の箕輪陽介氏は、「人手不足により売り手市場が加速するなかで、派遣スタッフの確保などで大手と中小・零細との格差拡大が進行していると見られる」と語る。空前の売り手市場といわれる今、派遣業界に何が起きているのか。箕輪氏に話を聞いた。

大手への人材流出に苦しむ中小の派遣会社

――大手と中小で明暗が分かれている理由はなんでしょうか。

箕輪陽介氏(以下、箕輪) 小規模事業者には2つの問題点があります。ひとつ目は、派遣スタッフが足りないこと。いい人材は大手が獲得してしまうため、スタッフ不足でビジネスが成立しなくなっています。2つ目は社員自体が不足していること。企業への営業活動や派遣スタッフの管理を行うためには一定の人材が必要ですが、その人材を確保できていないことが小規模事業者の大きな課題となっています。

――近年の派遣会社の倒産にはどのような特徴がありますか。

箕輪 石川県のプレミア・ジャパンは地元を中心に中堅規模に成長しましたが、リーマン・ショック後に経営が悪化し、中核社員の転職などもあって営業力が低下、17年いっぱいで事業停止となりました。静岡県の齊藤商事は主に工事現場への人材派遣を行っていましたが、同様に業績悪化で18年5月31日までに事業停止しています。

 大分県の日本ソフト工業はピーク時に約1000名の派遣社員を抱え、売上高は35億円を計上していました。しかし、東日本大震災で東北地方の工場が打撃を受けたことで受注が激減。13年には得意先が事業を縮小したため資金繰りが悪化し、17年3月に大分地裁に破産申請を行いました。

 派遣会社は人材がすべてなので、派遣スタッフや社員などの人材が流出してしまうと事業継続は難しくなります。この構図は物流業界も同じです。トラックなどのドライバーは条件のいいところに移っていき、人手不足に苦しむ運送会社が増えています。大手の派遣会社は福利厚生が手厚く、スキル向上などのサポート体制もしっかりしています。一方で、小規模事業者は派遣スタッフの囲い込みにコストをかけられません。

 人材の流動性が高まっていることで、必然的に小規模事業者には苦しい状況となっています。派遣業界に限らず、「攻勢に出る大手、消耗戦を強いられる中小」という構図は共通しています。

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