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小澤貴子「化粧品のウソとホント」

足裏用の角質ケアパック、火傷で重症の被害相次ぐ…国が注意喚起、酸が高濃度で危険

文=小澤貴子/東京美容科学研究所
足裏用の角質ケアパック、火傷で重症の被害相次ぐ…国が注意喚起、酸が高濃度で危険の画像1「Gettyimages」より

 前回は、化粧品の価格には多額の広告費相当分のコストが含まれており、なかでも乳液は原価が安くても作れる製品なので注意が必要だというお話をしました。実は化粧水についても正しい選び方があるのですが、今流行りの足裏パックで発生した重大な被害が報告されましたので、今回は注意喚起のため足裏パックの注意点と安全な角質ケアについてご紹介します。

 3月7日に独立行政法人国民生活センターから、酸を使った角質ケアを謳うフットケア商品で、火傷や痛みなどが発生したことが発表されました。大きく報じられたためご存じの方もいらっしゃると思いますし、日本化粧品工業連合会にも同日、情報が提供されました(30 独国生商第222号)。第一報でこのような周知徹底がなされているので、今後さらに重大な被害が予想されているのではないかと思います。

 今回の発表のきっかけとなったのは、治療にあたった医師から事故情報受付窓口(通称:ドクターメール箱)への連絡ですが、酸を使ったフットケア商品、いわゆる足裏用の角質ケアパックを使うことで、化学火傷を負う状態となり、治療を要して完治に半年かかるという診断を受けた人や、歩けないくらい足裏の皮が溶けてしまった人など、医師も症状の酷さに驚く声が報告されています。

 国民生活センターでは、ドラッグストアで購入可能な5製品のテスト品について報告していますが、実際にはもっと多数の商品が発売されており、その中の一部で被害が発生しているものと思われます。

足裏の角質ケアパックって何?

 ドラッグストアで販売されている足裏パックは、大きく2種類に分かれます。

(1)保湿を謳うもの
(2)ケミカルピーリングと呼ばれる酸で化学的に皮膚を溶かして剥す方法

(1)は皮膚を剥がさずに保湿するもので、バリア機能への懸念もありますが、それは後日化粧水(等)の記事にあらためて書かせていただきます。

(2)は皮膚を剥す方法です。皮膚を剥すと言われると驚くと思いますが、実は皮膚の表面は死んだ細胞でできていて、それを角質細胞と言い、その細胞の層を角層と言います。それが垢となって剥がれ落ちて、新しい丈夫な皮膚が常に表面に出るようになっています。もともと死んだ細胞で、自然と剥がれ落ちる部分なのです。その剥し方に、いくつかのやり方があります。その一つがケミカルピーリングという、酸を使う方法です。

小澤貴子/東京美容科学研究所

小澤貴子/東京美容科学研究所

工学博士(応用化学専攻)
1975年生まれ。上智大学理工学部化学科卒業後、応用化学修士課程に進学。修士課程修了後、大手化学会社の研究員を経て、上智大学理工学部化学科非常勤助手として研究に携わる。
その後、祖父の代から続く、東京美容科学研究所に入所、肌と美容の研究の道へ。現在、同研究所にて、化粧品の研究とともに、正しい美容科学の普及に努めている。理美容のプロおよび一般の人々に対して、肌の生理や化粧品についての知識の向上を目指すべく、教育普及活動にとくに力を入れ、全国で講習会や講演を行っている。

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