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あの個性派ラーメン店もセントラルキッチンを導入している…否定派は“ラーメンの素人”

文=沼澤典史/清談社
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あの個性派ラーメン店もセントラルキッチンを導入している…否定派はラーメンの素人の画像1
「gettyimages」より

「うまいラーメン店を見極めるにはゴミ出しをチェックしろ」という格言がある。大量の鶏ガラなどが捨ててあれば、スープを一から店で仕込んでいる証拠であり、本当においしいラーメンを提供しているというわけだ。

 しかし、最近は店外でスープを仕込んで各店に配送する「セントラルキッチン」方式を採用する店が増えているという。「セントラルキッチンに偏見がある人はラーメンに関しては素人」と語るのは、ラーメン研究家の石山勇人氏だ。

「一蘭」「一風堂」などの有名店も採用

 一般的なラーメン店では、店舗ごとに寸胴で豚骨などを炊き込んでスープをつくっていることが多い。この作業は根気が必要な重労働で、暑い厨房で常に寸胴をいじる必要があることから、営業時間外の深夜にスープを炊いている店舗も少なくない。それゆえ、スタッフの技量や時間帯によって味がブレてしまうこともあるという。

 ラーメン店におけるセントラルキッチンとは、それらの工程を店外の施設で行い、一気に大量のスープをつくるという方式のことだ。そして、できあがったスープは各店舗に配送される。

 また、スープだけでなく製麺やチャーシューなどの具材もセントラルキッチン方式で仕込むことも多く、特に複数店舗を経営するチェーン店では今や常識となっているという。

「セントラルキッチンで仕込んでいる店は多いです。豚骨系や家系はスープを炊くのに時間がかかるので、一風堂や一蘭、壱角家といった大手チェーン店もこの方式を取り入れていると思います。小規模のお店でも、ビルの一室を仕込み用に借りてスープをつくり、そこから配送するという形態も多いです」(石山氏)

 セントラルキッチンにすることで、店舗運営の面で大きなメリットがあるという。

「まずは、味の安定でしょうね。各スタッフの技量が関係なくなるため、店舗ごとの味のブレが抑えられます。あとは、ガス代の節約。1日12時間くらい炊き続けるので、より大きな規模で仕込んだほうが経済的です。一方のデメリットは、初期費用と配送ですね。しっかりとした設備を揃えるとしたら1000万円はかかりますし、店舗数が増えるほど配送費もかさんでいきます」(同)

 最近では、大手チェーンだけでなく、個性的なこだわり系ラーメン店でもセントラルキッチンを導入する事例が増えているという。

「9月に再出店した『なんでんかんでん』は現在1店舗しかありませんが、導入しています。店舗で仕込むと豚骨のにおいが近所迷惑になってしまうので、セントラルキッチンにしたそうです。有名どころでは、全国に10店舗以上ある『AFURI』、『麺や庄の』『MENSHO TOKYO』など7店舗を展開する『麺庄』グループ、全国5店舗の『ソラノイロ』なども導入していると聞きました。複数店舗を経営するならセントラルキッチンにしたほうが効率は良くなるので、妥当な判断でしょう」(同)

 ほかにも『すごい!煮干ラーメン 凪』や『麺屋 音』もセントラルキッチン方式で味のブレをなくし、各店舗での仕込みの負担を少なくしているという。

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