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田中圭は警察沙汰、「料金高い」と苦情も…タクシー運転手にとって最も迷惑な泥酔客の実態

文=後藤豊/ライター兼タクシードライバー
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田中 圭 OFFICIAL SITE – Tristone Entertaiment Inc.」より

 8月上旬に俳優の田中圭さんが泥酔してタクシーに乗り、警察に保護されていたとのニュースを目にした。車内で寝込んでしまった田中さんはドライバーが声をかけても会話ができず、料金が支払えない状態だったという。結局、通報により警察で保護されたそうだ。

 タクシードライバーにしてみれば、これほど困る乗客はいない。何より、泥酔客と対応している時間が無駄になり、その分の売り上げが減るからだ。

運転手が乗客の体に触るのはNG

 タクシードライバーには泥酔客を断る権利がある。乗客が目的地も言えないほど泥酔している場合は、行き先不明により断ってもいいことになっているのだ。しかし、乗客が少ない夜や、駅付けで後ろのタクシーに迷惑がかかりそうな場合は、仕方なく乗せることもある。その際は、最初に目的地を聞いてナビを入れながら、乗客と話をしてなるべく眠らせないようにするが、それでも眠ってしまった場合は、まず目的地近くの警察署をナビで探し、頭に入れておく。

 そして、目的地に到着しても乗客が起きない場合は、いくつかの方法を試してみる。まず、冬なら冷房を、夏なら暖房をMAXにする。数分経っても起きない場合は、ボンネットをガンガンと叩き、大きな音を聞かせてみる。

 中には急ブレーキをかけて乗客を起こそうとするドライバーもいるが、これはご法度だ。なぜなら、乗客がケガをした場合に責任を問われるからだ。また、ドライバーは基本的に乗客の体には触れられない。後から「財布がなくなった」などと言われるケースもあるからだ。女性客の場合は、性犯罪にもつながり得る。今はドライブレコーダーがあるため証拠映像も残るが、余計なトラブルは避けなければならない。

田中圭と他の泥酔客の“最大の違い”

 いくつかの方法を試しても起きない場合は警察に行くしかなくなるが、夜の交番は警官がパトロール中でいないことも多く、仕方なく警察署を目指すこともある。

 この間も私はメーターを入れて走るが、警察署や交番に到着後、警察官に起こされてもなかなか目を覚まさないことも多く、なんだかんだと時間のロスは大きくなる。

 また、警察に行く前に起きたとしても、ドライバーにからんでくる乗客も面倒くさい。「いつもより料金が高い」などと言われたら、「お客様が起きないからです」と答える。それで脅し文句など言われようものなら、「業務妨害ですので、警察に行きます」と言って、乗客の反応を見ることになる。

 ごくまれにだが、泥酔客の寝息が聞こえないケースもある。この場合は命の危険もあるので、すぐさま110番しなければならない。

 私はタクシードライバーにとって最も面倒な泥酔客を数名乗せた経験があるが、仕事やプライベートでうまくいかず、ネガティブな人ばかりだった。今回の田中さんのように、仕事が順調な有名人が泥酔して警察沙汰になるのは、極めてレアケースだ。

(文=後藤豊/ライター兼タクシードライバー)

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