ホンダの危機、燻る米GM傘下入り…「技術屋集団」の迷走、技術開発競争に乗り遅れの画像1
本田技術研究所本社(「Wikipedia」より/ウェルワィ)

 自動車業界で孤高を貫いてきたホンダが、米ゼネラルモーターズ(GM)に急接近している。新たに北米市場向け自動車のガソリンエンジンやプラットフォームなどの共同開発を検討することで合意した。ホンダはこれまで、燃料電池自動車や電気自動車(EV)といった、将来技術分野でGMと提携していたが、主力事業にまで協力を拡大する。背景には、先進技術での遅れと、四輪車事業での低い収益力が致命傷となって、生き残れないとの危機感があるからだ。ホンダがGMの軍門に降るのは時間の問題かもしれない。

 ダイムラー・ベンツとクライスラーが合併してダイムラークライスラー(現在は分離)が誕生するなど、2000年代初頭、世界中で自動車メーカーが合従連衡を繰り返していた時も、ホンダは焦って提携相手を探すことなく、単独での自前主義を貫いてきた。特徴的な独自技術で、町工場を世界的な自動車メーカーに発展させた創業者・本田宗一郎氏の教えを引き継ぎ、技術屋集団を標ぼうするホンダは、独立心が強い自動車メーカーとして有名だ。

 過去、他社との業務提携を結んだり、英国ローバーに出資したこともあったが、ほぼ自主独立路線を貫いてきた。そのホンダが、ここにきてGMと結びつきを強めている。

 GMとホンダは、新たに北米市場でそれぞれが販売するブランドの複数セグメントのモデルについて、ガソリンエンジンや電動パワートレーンを含めたプラットフォームの共通化を検討していくことで合意した。今後詳細を詰めて、2021年初めに共同作業の開始を目指す。また、北米市場向けモデルの研究開発や共同購買、コネクテッドサービス領域でも協業の可能性を検討する。

 両社はこれまでも一部事業で提携していた。13年に燃料電池車向けシステムの共同開発で合意したのを皮切りに、燃料電池車の基幹部品の生産、EV用次世代リチウムイオン電池の共同開発でも合意。18年にはホンダがGMの自動運転開発子会社、GMクルーズへの出資を決めた。電動化や自動運転といった開発に多額の投資が必要で、将来的に主流になるかもしれない技術の開発が協業の中心で、互いに得意分野の技術を持ち寄り、他社に先駆けて先進技術を開発するとともに、投資を分担することが狙いだ。

本丸にまで広がったGMとの協業

 大きく踏み込んだのが今年4月。ホンダはGMが開発・生産する北米市場向けEV2車種を、OEM(相手先ブランドによる生産)車の供給を受けることで合意した。これには業界から「環境対応車の本命と見られているEVを、他社からの供給にするほど、ホンダのEV関連技術は遅れている」との見方が広がった。ただ、ホンダのエンジニアはエンジンなどのパワートレーンにこだわりが強いだけに「内燃機関を搭載しないEVは他社製であっても気にしないのでは」と見る向きもあった。

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