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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

「自殺におよぶ」「思いとどまる」の分かれ目と、自殺を回避する方法…医師が解説

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士
「自殺におよぶ」「思いとどまる」の分かれ目と、自殺を回避する方法…医師が解説の画像1
「GettyImages」より

 女優の芦名星さんが、去る9月14日朝、東京都新宿区の自宅マンションで亡くなられているのが見つかった(享年36)。警察関係者によると現場の状況から「自殺」と考えられるという。7月18日には俳優の三浦春馬さんが同じく自殺によって亡くなられた。30歳という若さである。

 自殺の原因としては、

(1)病気

(2)金銭問題(失業、会社の倒産、借金など)

(3)家庭内の人間関係

(4)職場での人間関係(就職失敗、上司からの叱責など)

などが主に挙げられている。しかし、同じ条件、状態でも、自殺する人と自殺を思いとどまる人、自殺など考えない人もいるのは「体質が大いに関係している」と私はにらんでいる。

 自殺者の90%は「うつ病」か「うつ状態」に陥っているとされている。西洋医学にはないが、東洋医学独特の考え方では、「筋肉質で活動的、体が温かく、陽気」な「陽性体質」と、「筋肉が少なく、消極的、冷え性の傾向があり、生真面目」な「陰性体質」の2つに体質は分けられる。文末の表で、ご自分の陽性度、陰性度をチェックされてみるとよい。

 女性はほとんどの人が陰性体質なのは、男性に比べて筋肉(体温の40%を産生する人体最大の産熱機関)が少ないからだとされている。男性は、女性より「陽性」体質ではあるが、「色白で長身、髪の毛が多い(40歳過ぎると白髪になりやすい)」人は男性でも「陰性体質」の傾向がある。

 逆に本物の陽性体質者は「ずんぐり、むっくり、赤ら顔で高血圧のおじさん」と表現される、今や「絶滅危惧種」的な陽気で活動的な人である。陽性体質の人は積極的、活動的であるがゆえ、営業マン、会社の社長などが適職である。逆に陰性体質の人はコツコツと忍耐強く、仕事をこなせる人が多い。教師、研究者、宗教家、作家、銀行員、税務署員、税理士などに向いている。

 こうした職業の人たちをよく観察すると、「禿げた人」がほとんどいない。作家には自殺した方が少なくない。北村透谷、有島武郎、芥川龍之介、太宰治、火野葦平、三島由紀夫、川端康成、江藤淳、このなかに禿頭(陽性体質)の人はいらっしゃらないはずだ。つまり、「長身・色白・髪の毛が多い」という「陰性体質」の人が自殺を図りやすいという傾向にあることがわかる。三浦春馬さんは178センチ、芦名星さんは165センチと長身で、お二人ともモデル出身で細身、色白の「陰性体質」といえる。

「冷えること」が最悪の要因

 陰性体質の人は体温が低い傾向にある。自殺者の多い国として、ハンガリー、フィンランド、スウェーデン、ロシアなど北欧の国々、日本では秋田県、青森県、岩手県、新潟県などの「北国」があげられる。日照量が少なく、寒い地域であるゆえ、そこに住む人々は体が冷えやすい。1日のうちで体温、気温が一番低くなる時間帯が午前3時~5時である。自殺はこの時間帯に多い、という報告もある。つまり「冷えること」が「自殺」にとって、最悪の要因の一つ、といえる。

 よって、日頃「うつ傾向」や「自殺願望」のある人たちは、入浴、サウナ、岩盤浴、筋肉運動(ウォーキングなど何でも可)で体を温める必要がある。また、西洋医学・栄養学にはない概念であるが、食べると体を冷やす「陰性食品」は避け、体を温める「陽性食品」(図表2)をしっかり食べるべきである。

 なかでも2000年も前から「気を開く」(うつ状態を改善する)食物として漢方医学で用いられてきた「生姜」や「シソの葉」を多用されるとよい。すりおろし生姜をみそ汁、納豆、豆腐、煮物、うどん、そば、醤油などにご自分が「うまい!」と思う量を入れて食べる。熱い紅茶に黒糖やすりおろし生姜を同じく「うまい!」と思われる量を入れてつくる「生姜紅茶」を1日3~4杯、愛飲する。シソの葉をみそ汁に入れたり、天ぷらにして食べるなどを励行されるとよい。

 この「シソの葉」と「生姜」を中心につくられた「うつ、自律神経失調、不安、不眠」に効く漢方薬が「半夏厚朴湯」である。

(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

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石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

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