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シャノアールも珈琲館も買収…カフェ業界、香港系投資ファンドの“草刈り場”の様相

文=編集部
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シャノアールの店舗(「Wikipedia」より)

 外食のM&A(合併・買収)で次の主戦場になるのはカフェ業界である。売り物が出れば、すぐに買い手がつく状態だ。カフェやファーストフード業界のM&Aで独立系投資ファンド、ロングリーチグループ(香港)が存在感を増している。

 ロングリーチは今年1月、シャノアール(東京・豊島区、非上場)を買収すると発表した。シャノアールは1965年の設立。セルフサービス型コーヒーショップ「カフェ・ベローチェ」、フルサービス型カフェ「コーヒーハウス・シャノアール」など195店を運営。従業員数は5190名。都心で手ごろな価格でコーヒーを提供する店として知られていた。

 ロングリーチは2018年、UCCホールディングスからカフェチェーン「珈琲館」(東京・渋谷区)を買収した。フルサービスの喫茶店として国内2位の「珈琲館」は炭火焙煎コーヒーが特徴で、全国に約300店を展開している。UCCは顧客の目の前でコーヒーを1杯ずつ抽出するサービスを売りにしている「上島珈琲店」に経営資源を集中する。

 2016年、米国系ハンバーガー店「ウェンディーズ」を展開するウエンディーズ・ジャパンは、サントリーホールディングス傘下のファーストキッチン(東京・新宿区)を買収した。その際、ロングリーチはファーストキッチンの第三者割当増資を引き受け、筆頭株主になった。ウェンディーズの日本での事業をロングリーチが支援する。

 ロングリーチは2005年、藤田田氏の一族から買い取るかたちで日本マクドナルドホールディングスの株式を保有したこともある。日本マクドナルドは米マクドナルドと藤田商店の共同出資で発足。藤田一族が撤退して持ち株を手放すことになった。

 ロングリーチは、香港・上海のロングリーチグループ・リミテッドと東京のロングリーチグループ(東京・千代田区)を拠点とする独立系投資ファンドである。東京のロングリーチグループの代表取締役兼パートナーの吉沢正道氏は住友銀行出身。ロバートソン・スティーブンスインターナショナル、モルガン・スタンレー証券を経て2003年、ロングリーチグループを設立した。パートナーの杉本友哉氏は日本長期信用銀行出身。モルガン・スタンレー証券で投資銀行本部テクノロジー部門のエグゼクティブ・ディレクターを務めていた。

カフェ業界はスタバの一人勝ち、ドトール、コメダが追う展開

 コンビニコーヒーの登場でカフェ業界は大激震に見舞われた。11年にローソン、12年にファミリーマート、そして13年にセブン-イレブンが100円コーヒーを売り出し大ヒットした。これにより、専業のコーヒーチェーンの再編が加速した。珈琲館、続いてシャノアールを投資ファンドが買収。東京の高級喫茶店の代名詞だった銀座ルノアールはキーコーヒー(東証1部上場。出資比率は34%)の傘下に入った。

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