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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

NHK受信料の取り立て、日本郵便社員に“押し付け”案浮上…武田総務相が突如提案

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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武田総務大臣(「総務省 HP」より)

「かんぽ生命不正販売の謝罪行脚の最中に、どの面下げてNHK受信料を払ってくださいって言うんだ」――。日本郵便関係者の間では、このような嘆き節が飛び交っているという。

 武田良太総務相は21日の記者会見で、「郵便局2万4000局にわたるユニバーサルサービスが展開されている郵便局のノウハウやチカラを受信料の徴収に活かすことができないかどうか、実務担当者同士で研究をしてもらいたいと私のほうから今言っている」と発言した。NHK受信料は5世帯に1世帯が未払いで、「取り⽴て経費」に当たる訪問経費が約300億円にも上ることを受けたものだ。

携帯料金の次はNHK受信料

 携帯電話料金値下げに見通しがついた武田氏の次なるターゲットは、NHK受信料となっている。菅義偉首相への逆風が強まる中で、「一丁目一番地」である総務省の所管分野でポイントを稼ぐ狙いで、NHK受信料を引き下げるにはコスト削減が手っ取り早いため、徴収コストがやり玉に挙がったわけだ。

 徴収コストをゼロにするには、ドイツ⽅式と呼ばれるテレビの設置の有無にかかわらず全世帯から徴収する⽅式が有効だが、総務省の有識者会議は11月にまとめた案で採用しないことを決定。NHKは国民の個人情報を把握して取り立てを効率化するために、テレビ設置の届け出義務化や未契約者の氏名など居住者情報を紹介できる制度の導入も提案したが、それもプライバシーの問題で見送られた。案では、妥協策としてテレビを持っているのに受信契約を結ばないで支払いを逃れている人間に割増金を科す制度が法制化される見通しで、こちらの割増金をプールして受信料値下げの原資に活用するという。

 ペナルティを強化することで受信料支払いを促すことになったわけだが、そもそも払う気がない視聴者がそれに応じるとは考えにくく効果は限定的とみられる。そこで武⽥⽒がさらなるコスト削減案として「思いついた」のが、「日本郵便の取り立て屋化」というわけだ。

郵政グループのお荷物「日本郵便」が赤字

 日本郵政が11月に発表した9月中間連結決算では、純利益が1789億円と24.4%減となり、子会社で郵便事業を担う「日本郵便」の純損益は65億円の赤字と、中間期としては3年ぶりの赤字に転落した。コロナ禍の巣ごもり需要でアマゾンなど宅配サービスが軒並み業績を伸ばす中での日本郵便の赤字は、そもそも日本郵便が法律で全国一律のサービスを提供する「ユニバーサルサービス」が義務付けられていることが主因となっている。

 全国約2万4000局のうち、集配郵便局エリアの8割が赤字で窓口業務も4割が赤字。都市部など宅配効率のよい場所を重点的にカバーするだけでも商売が成り立つ民間業者と違い、地方の過疎地までカバーしなければならない日本郵便は少子高齢化の時代、特に苦境に立たされているというわけだ。

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