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セガ、なぜ名越稔洋氏ら旧経営陣は退所したのか?「龍が如く」製作体制刷新の裏側

文=編集部
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セガ「龍が如くスタジオ」公式サイトより

 大手ゲームメーカーのセガは8日、公式サイト上で人気アクションアドベンチャーゲーム「龍が如く」シリーズを制作している「龍が如くスタジオ」の新体制への移行を発表。シリーズ続編『龍が如く8(仮称)』を開発中であることを明らかにした。

 また、これまで同スタジオトップだった名越稔洋氏の退社もあわせて公表した。名越氏は昨年、eスポーツプロ大会での失言などが取りざたされたこともあり、インターネット上では今回のセガの人事に注目が集まっている。

 発表によると、“創立10周年の節目”として、同スタジオ代表・製作総指揮に前チーフプロデューサーの横山昌義氏が就任したことを報告。チーフプロデューサー阪本寛之氏、チーフディレクター堀井亮佑氏、アートディレクター三嶽信明氏らその脇を固めるくことになったのだという。

 退社する名越氏は以下のように退社を報告するとともに、ユーザーに対して感謝の言葉を述べている。

「この度、セガを退社するにあたり龍が如くスタジオトップとしてのポジションも同時に退くことになりました。

 長きに渡ってタイトルを応援して下さったユーザーの皆様、そしてご協力いただいた皆様には大変お世話になりました。謹んで、そして深く感謝申し上げます。

 私自身ここまで続けてこれたのは、たくさんの方からの学びを得ながら挑戦を繰り返す姿勢を貫き、また同時にその想いを支えてくれたスタッフのおかげに他なりません。

 そして今日から新生・龍が如くスタジオが誕生します。つまりタイトルは今後も継続されていきます。

 そこで果たしてどんなタイトルが生まれるのかは私もわかりません。しかし新しい世代が予てから積み上げてきたものをより一層高めながら、素晴らしいタイトルを世に送り出してくれると信じています。その実現のためには彼らもまた、これからも学びと挑戦を繰り返しながら成長するしかありません。引き続き、皆様からご指導ご鞭撻を頂ければ幸いです。

 最後になりますが、万感の思いを込めて申し上げます。今まで本当に有難うございました。すべての新たな始まりにご期待ください!」(原文ママ)

 一方、同スタジオのトップになった横山氏は「龍が如くスタジオが発足するまでの間、経験が少なかった開発チームにとって『龍が如く』とは名越稔洋とイコールに近い存在でした。でも私はそこに頼り切るのが嫌で、変化を求め非力ながらも必死に張り合い続けました。十年という時が経ち、抵抗から共闘へと意識は変わり、今、偉大なクリエイターからこのスタジオを受け継ぎます」と語っている。

名越氏は過去に「チー牛」発言で炎上も

 名越氏といえば、昨年6月21日に行われた落ち物パズルゲーム『ぷよぷよ』のeスポーツ大会「ぷよぷよファイナルズ SEASON2」に関する失言で炎上した過去があった。

 メーンパーソナリティとして配信していたYouTubeチャンネル「セガなま ~セガゲームクリエイター名越稔洋の生でカンパイ~」の7月28日配信分で、同大会の決勝の模様を視聴した後、名越氏がファイナリストのプロ選手に対し、「チーズ牛丼食ってそうな感じ」と発言したことが問題になったのだった。

 前述の「チーズ牛丼」略して「チー牛」という言葉は、ネット上で相手の姿態を揶揄する言葉として使われている。そのため、自社の製品をプレイするプロ選手に対する物言いとして、“不適切ではないのか”との疑問が噴出したのだ。大手ゲームメーカー関係者は話す。

「今回のセガさんの発表で驚いたのは、新体制への移行だけではなく、名越さんをはじめとする旧首脳陣の退社を、正式に発表し、花道をつくっている点です。ゲーム業界では、個人のSNSアカウントで退社を発表するのが比較的一般化しているので……。あわせて新作のPRもしていますし、新体制への移行もすごく前向きなイメージを抱きました。

 ネット上では、名越氏さんが関与したとされる『サクラ大戦』シリーズの新作の仕様変更で、旧来のファンから批判の声が上がっていたことなどを、今回の退社と関連付ける噂が飛び交っているようですね。いずれにせよ、あるタイトルで成功したからといって、別のゲームを成功させることができるかというと、なかなか難しいのがゲーム業界です。

 ただ、今回はセガとスタジオが“しっかり卒業させて送り出している”ので、マイナスの意味での退社の可能性は低いのではないかと思います。

 炎上事件に関しては、現代ビジネス(講談社)でライター赤木智弘氏が書いた記事(編集部注:『セガ取締役「チーズ牛丼食ってそう」発言に見る、ゲーム業界に根強く残る「自虐性」』2020年8月20日公開)を読んでいただければ、発言の経緯と背景がわかると思います。

 確かに、『ぷよぷよ』での炎上は社内に衝撃を与えたのは事実なようで、当時、セガさんと取引のある企業社員から、『名越さんがヤバいことになっている』という話はよく聞きました。とはいえ、『龍が如く』シリーズをメーカーの看板ゲームに育て上げたのは名越氏の功績ですし、セガさんも足を向けて寝られないと思いますよ。

(名越氏には)海外メーカーなどから声がかかっているとの噂もあり、セガを退社してもゲーム業界で活躍されていかれるのではないでしょうか」

(文・構成=編集部)

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