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木下隆之「クルマ激辛定食」

新型レクサスLX、アーバンSUVとして進化…都会を走るユーザー爆増の予感

文=木下隆之/レーシングドライバー
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レクサスの新しいフラッグシップモデル、新型LX
新型レクサスLX

 レクサスに新しいフラッグシップモデルが誕生した。「LX」としては4世代目、14年ぶりの刷新となる新型は、レクサスの頂点に君臨するに相応わしい高級でかつ優雅な走り味を秘めて登場した。

 基本的なコンセプトは先代を踏襲している。ボクシーな5ドアハッチバックであり、全長5.1メートルの堂々たる体躯を誇る。全幅1.9メートルにも及ぶ。威風堂々としたスタイルは威厳をそのまま具体化したかのようである。

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 だが、レクサスの顔であるスピンドルグリルの印象が大きく変化した。クロームメッキの縁取りの中にメッシュ柄が貼られたものとは異なり、水平基調の特徴的な表情になった。これはLXの意匠チェンジのレベルを超えて、新世代レクサスの新たな門出のようでもある。

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 基本的な骨格をハシゴ型ラダーフレームとしている点にも変更はない。ライバルであるレンジローバー・ディスカバリーも同様に、道なき道を厭わない圧倒的な悪路踏破性を誇るが、常用的な乗りやすさを優先し、モノコックフレームに改められた。「LXもモノコックに変更か」と予想されたが、中東で5割、ロシアと北米でそれぞれ2割の販売を予定しているLXにとって、ともすれば悪路踏破性が劣る可能性のあるモノコックではなく、タフな剛性が魅力のハシゴ型ラダーフレームにこだわったのは良心だろう。

 ただし、ハシゴ型ラダーフレームに少なからず残る乗り心地の荒さを、徹底的に薄めているから驚きである。圧倒的なストロークを誇るサスペンションには、電子制御による車高調整式が組み込まれる。リアスタビライザーを取り外すことで、悪路の岩やガレ場を舐めるようなしなやかな足としている。ガスバネと呼ばれる別タンク減衰機構を備え、乗り心地と踏破性を両立している。

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 乗り心地の良さはオンロードだけではなく、車体が横転しそうな悪路でさえ健在。これまでのように、体が投げ飛ばされないようにハンドルにしがみつきながら走る必要はなく、体から力を抜いた優雅な姿勢で難所をクリアすることも可能になった。踏破性に一点の曇りなく、それでいて安楽なドライブフィールになっているのだ。

 搭載するエンジンは、先代のV型8気筒5.7リッターからV型6気筒3.5リッターツインターボに変わっている。ダウンサイジングにより環境性能を圧倒的に高めたうえに、パワーは増強されている。低回転域からのトルクは先代を大きく凌ぐ。

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 たび重なる安全要件や環境目標によって肥大化は免れないが、ドアやボンネット、あるいはルーフに至るまでアルミ材を多用することで、逆に先代比で200kgの軽量化を実現している。軽快な、という表現は走りには当てはまらないが、少なくとも無骨なハシゴ型ラダーフレームの悪癖は薄らいでいる。

 ところで、新型LXには3列シート7人乗りの標準仕様とは別に、悪路踏破性能をさらに高めた「オフロード」と、4人乗りに割り切ることで2列シートとした「エクゼクティブ」が設定されている。エグゼクティブには、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」に採用されているようなキャプテンシートが組み込まれている。大きくリクライニングするばかりか、オットマン付きでエアラインのビジネスシート並みである。もはや、道なき道を突き進むタフなクロスカントリーモデルではなく、都会を優雅にクルーズするに相応しいアーバンSUVの面影である。おそらく今後、ボディを汚すことなく都会を走るLXユーザーが増えるに違いないと確信する。

 ちなみに、LXエグゼクティブの販売価格は1800万円で、レクサスLSのそれを凌ぐ。

(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

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