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日本電産・永守重信が語る「成しとげる力」がある人の共通点

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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 どんな分野であれ、「一流」と呼ばれる人には、一風変わった人や奇抜な人が多い。それはビジネスの世界も同じで、抜きん出た実績を残してきた起業家や経営者の中には際立った個性を放つ人がいるものだ。

 日本電産の創業者で、現会長の永守重信氏もその一人だろう。

 著書『成しとげる力』(サンマーク出版刊)で明かされている「京都の自宅六畳間で仲間三人とともに、たった四人で」創業するところから、売上高1兆円を超える世界屈指の電機メーカーを築き上げた永守氏の考え方や経営哲学、人の見方はいかにも泥臭く、ともすると時代錯誤に見えることもあるが、そこから垣間見える不動の信念と個性は「時代錯誤」などという言葉をものともしない強烈さだ。

「人生は七割が運」ではその運をいかに呼び込むか?


 0からのし上がった叩き上げ経営者だがにもかかわらず、というべきか、叩き上げ経営者だけに、というべきかわからないが、「人生は運が七割、努力が三割」が、永守氏の人生観だ。

 ただ、運が向けば勝てるし、運がなければ負ける、と割り切る淡白さではどんなことであっても成功を収めることはできない。

 まず、つね日頃より準備と努力を怠らず続けていることである。努力の積み重ねがないところには運もやってこない。じっさい、よい流れが来たときは即断即決が原則である。チャンスは一度しかやってこないし、たいていはものすごいスピードでやってくるものである。(『成しとげる力』より)

 運は自分で呼び込むもの。七割の運を呼び込むために三割の努力を積み重ねよ、というのが永守氏の考えの真意だろう。準備と努力がなければ、いざという時に素早い判断でチャンスを掴みにいけないのだ。

「成しとげる力」をつける人の法則


 人間には二種類の人がいる。

 ひとつは、人生どう生きてもつらいことはやってくるのだから、楽しいこと、楽なことに目を向けて生きて行こうというタイプと、あとあとで大きな喜びを手にするために、今は苦しくてもがんばろうというタイプだ。

 永守氏が「成しとげる力」をつけるための条件としているのは後者の生き方。人生が終わった時に振り返ったらどちらのタイプも楽しいことと辛いことの量は「プラスマイナスゼロ」かもしれないが、あとから大きな喜びを手にするために、今は苦難と逆境を味わってしまおう、という心がけが運を呼び込む、ということか。

大言壮語でも大ホラ吹きでも構わない


 大きなことを成しとげた人の多くに共通しているのは、自分がまだ無名で何者でもなかった時から、バカでかい野心を周囲に語っていたこと。周囲に笑われようがバカにされようが、おかまいなしである。

 日本電産が売上高1兆円を超えたのは2014年のこと。しかし、永守氏は創業した1973年から「世界に羽ばたく兆円企業になる」と宣言していた。たぶん、当時その言葉を信じた人はいなかっただろうし、「こいつならやりそうだ」と思った人もいなかったはずだ。

 それでも永守氏だけはあきらめずに自分の大言壮語を現実にしようとしてきた。懸命に努力を重ねていくにつれ「大ボラ」は「中ボラ」になり、「小ボラ」になり、実現可能な「夢」に変わっていったのだ。

 本書では、リーダー論や人心掌握術、仕事論などについて永守氏の熱のこもった言葉がつづられているだけでなく、日本電産を語るうえなかば伝説のようになっている「大声試験」「早飯試験」といった、かつて行われていた特徴的な入社試験の裏にあった永守氏の考えも明かされていて興味深い。

 何よりもどんな時代であれ目標や夢を実現するために一番必要なのは努力であり、ハードワークであり、絶対にあきらめない意志なのだという当たり前のことに改めて気づかされる一冊だ。(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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