
日本企業を取りまく環境の激変に伴い、上司と部下の関係、そしてマネジメントのあり方にも変革が求められている。
終身雇用が崩れ、若手社員ほど会社への忠誠心は弱くなっている。「上司の指示には素直に従うのが当然」という意識は、過去のものといっていい。長期的な雇用が保証されず、「我慢していれば、いつかはそれなりの処遇が受けられる」との期待すら持てないのだから。
その一方で多くの管理職は、いわゆる「プレイングマネジャー」だ。自らの業務に忙殺されつつ、部下の指導・育成の役割が期待される。そして、担当チームの業績向上へのプレッシャーがかかるなか、長時間労働の是正や休暇取得の促進など「働き方改革」の実行までを担う。
コロナ禍で露呈した「マネジメントのジレンマ」
そこにコロナ禍による慣れないテレワークが加わり、姿の見えづらい環境下での部下のマネジメントや評価が求められている。時間管理を前提としたこれまでの労働法制に縛られながら、部下の勤怠管理と仕事での成果に迫られているわけだ。
40代半ば以上の管理職にとって、若手時代の頃に経験してきた日本の管理職のマネジメント手法では、とても対応できないことは明白だ。
ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授は、著書『イノベーションのジレンマ 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』(翔泳社)のなかで、大企業が新興企業に遅れをとる理由について、次のように分析している。
「大企業には優れた自社製品があるので、その改良にとらわれて持続的イノベーションに終始する。その結果、新興企業がもたらす破壊的なイノベーションの価値を見逃してしまうというものだ。
私は、今の日本企業社会では『マネジメントのジレンマ』が起きていると感じている。過去の成功体験がありマネジメントの常識が根付いている人は、時代や環境が変化しても、その延長線上で行動しがちで、うまく機能していないことに気づきにくい」
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