
安価でおいしいメニューを提供する牛丼チェーンのなかでも、「吉野家」「すき家」「松屋」の3社は“牛丼御三家”と評され、牛丼ファンから支持を得ている。
各社の既存店単位での月次報告によると、2022年4月の前年同月比の客数は、吉野家が107.0%、すき家が98.6%、松屋が103.4%と、すき家のみやや減少傾向。しかし、前年同月比で4月の売上高を見てみると、吉野家が111.6%、すき家が108.3%、松屋が105.6%と、各社とも前年を上回る業績を打ち出している。
また、4月の前年同月比の客単価も吉野家が104.3%、すき家は109.8%、松屋は102.2%と安定している様子。新型コロナウイルスの影響により苦戦していた牛丼御三家だが、現在は業績が回復しつつあるようだ。
そんな牛丼御三家は、夏の暑さを感じるようになってきたこの時期に、おなじみのレギュラー商品のほかに新商品もいくつかラインナップ。しかし、魅力的な商品が並びつつも、なかには“これは微妙では?”と感じざるを得ないものも存在した。そこで今回は“この夏、要注意な牛丼チェーン商品”を6品ピックアップし、紹介していく(価格は税込み)。
吉野家/ねぎ塩鶏丼(並盛)/511円
今や吉野家の夏の定番メニューとなりつつある“ねぎ塩”シリーズ。そのひとつである「ねぎ塩鶏丼」は、玉ねぎを刻み、塩、ガーリック、胡麻油、リンゴ酢で味付けしたねぎ塩だれと一緒に鶏肉を焼き上げ、ご飯に盛り付けた商品だ。
さっぱりとした味わいのネギ塩だれとジューシーな鶏肉は、噛むごとにネギと鶏の旨味を堪能できて美味。ただ、肉がやや硬めで、飲み込むまで苦労する食感だったのが少し残念だ。
また、本品にはねぎ塩だれがたっぷりかけられているので、ご飯の表面がべちゃべちゃになってしまっているのも気になった。このたれが好きな人なら、むしろうれしいポイントなのだろうが、濃い味付けなので薄味好きの人には要注意だろう。
吉野家/ライザップ辛牛サラダ/682円
2021年7月23日付記事「吉野家・すき家・松屋、今夏の残念メニュー6品…肉&うなぎの量に不満噴出で“名前負け”」でも紹介した「ライザップ辛牛サラダ」。前回は“中身がスカスカすぎてコスパ的に満足できない”という評価を下したが、今回も課題点を見つけたので改めて取り上げたい。
まず前提として、サラダには野菜が入っているので米や肉に比べて水分量が多い。そのため、本品に入っている牛肉や鶏肉と一緒に食べると、口の中がべちゃつきやすく、肉と野菜のおいしさが半減しているように感じるのだ。個々の具材はおいしいのだが、商品全体としての調和を考えると中途半端な出来という印象である。
価格が700円弱と少々高めなのもネックだが、栄養バランスには優れており、カロリーも468kcalと高くはないので、ダイエッターにはおすすめかもしれない。
すき家/にんにく牛カルビ丼(並盛)/690円
「にんにく牛カルビ丼」は、注文ごとに焼き上げた牛カルビ肉にフライドにんにくを合わせた商品。しっかりと焼き目が付いた牛カルビ肉からは、若干焦げたたれの匂いが漂ってきて非常に食欲をそそられる。