今、東京に住む若者たちを中心に人気となっている「3畳ワンルームアパート」の存在をご存知だろうか。
話題となっているのは、不動産業の株式会社SPILYTUS(スピリタス)が開発を手掛ける「QUQURI(ククリ)」というシリーズのデザイナーズアパート。最大の特徴は、いわゆる居住スペースと呼ばれる空間が3畳分しかないという狭小物件という点である。ワンルームタイプの部屋といえば20平方メートル前後が一般的だが、「QUQURI」は約半分となる9平方メートル程度の面積となっており、その代わり近隣物件の相場と比べると月の家賃が2~3万円ほど割安となっている。
例えば、都心の人気エリアで居住スペースが6畳や8畳といった広さのワンルームや1Kの物件を探すと、家賃10万円前後となるケースも多いが、居住スペースが「QUQURI」ならば同エリアで家賃7万円台となり、“都心の人気エリアに安く住みたい”という若者のニーズを捉えているという。
恵比寿駅、中目黒駅、自由が丘駅など、都心でも屈指の人気駅の徒歩圏内という場所に立地していることも特徴。東京都のワンルームの平均空室期間は29.7日というデータが出ているが、「QUQURI」の平均空室期間は約14日とのことで、退去者が出てもすぐに入居者が決まり、ほぼ常に満室状態になっているそうだ。
とは言え、約9平方メートルしかないワンルームである。やはり“狭かろう・悪かろう”なのではという懸念が付きまとう。また、「20平方メートル/家賃10万円」と「9平方メートル/家賃7万円」を比較すると、後者のほうが面積に対する家賃は割高になるという点も気になるところだ。
そこで、「百聞は一泊にしかず」ということで、アラフォーの筆者が実際に「QUQURI」のアパートに一泊し、その住み心地をレポートしたい。
自由が丘駅・徒歩13分の物件、最初に目につくデメリット
今回、宿泊させてもらったのは「アーバンレジデンス自由が丘」(東京都目黒区/竣工2017年6月)。
東急東横線・自由が丘駅まで徒歩13分で、そのほかにも同線・都立大学駅 徒歩10分、東急大井町線・緑が丘駅 徒歩7分、同線・大岡山駅 徒歩10分と4つの駅が徒歩圏内という交通の便のいい立地だ。