リーズナブルな価格で手早く食事を済ませられることで人気の牛丼チェーン。特に「吉野家」「すき家」「松屋」は“牛丼3大チェーン”と呼ばれている業界大手だ。その3大チェーンは、いずれも牛丼(牛めし)を看板商品に掲げているものの、その方向性は異なっている。
吉野家は、牛1頭からわずか10kgほどしか取れないショートプレートという部位を白ワインベースの秘伝のたれで煮込むという、徹底した牛肉へのこだわりを見せている。すき家は、牛丼のみならず海鮮系やカレーなど幅広いラインナップが目立っており、主にファミリー層に向けた商品展開に注力。松屋は、他の牛丼チェーンでは見られないセットや定食メニューの開発に尽力しており、常に消費者を驚かせる施策を見せているのだ。
それぞれのこだわりが見える牛丼3大チェーンだが、今春も多種多様な商品がラインナップされている。そこで、本記事では“この春買うべき牛丼チェーンの商品”を6つ選出。実際に食レポしていくので、商品選びの参考にしていただきたい。
吉野家/牛×牛カルビ黒カレー(並盛)/822円(税込、以下同)
15種のスパイスを加えた吉野家の本格カレーシリーズ「黒カレー」。同シリーズのひとつである「牛×牛カルビ黒カレー」は、吉野家秘伝のたれでじっくりと煮込んだ牛肉と、香ばしく焼き上げた牛カルビ肉が乗せられており、肉好きにはたまらないビジュアルとなっている。
贅沢に肉を使用しているためか、SNS上では「思った以上に肉祭り」「肉々しいカレー」とボリュームについて言及する声や、「たっぷりとお肉とカレーを楽しめて満足」と称賛する声があがっている。
実食してみると、甘じょっぱい牛肉と、噛むとジュワッと肉汁が出てくる牛カルビ肉がボリューム満点で美味。黒カレー自体もスパイスの芳醇な香りがしており、コク深いスパイシーな味加減となっている。
肉とカレーを交互に食べても良し、混ぜて食べても良しなので、食べ応えのある食事をしたいときにぜひ賞味あれ。
吉野家/豚生姜焼き丼(並盛)/511円
吉野家で1月7日より発売された「豚生姜焼き丼」。ご飯の上には、醤油と生姜ベースの特製だれで焼き上げた豚肉と、玉ねぎが盛り付けられている。ここまでなら普通の生姜焼き丼だが、本品には別添えのすりおろし生姜もトッピングされており、まさに“生姜づくし”のメニューなのだ。
さっそく食べようとすると、まず生姜のよい香りが漂ってきて非常に食欲をそそられた。豚肉は甘じょっぱく、噛めば噛むほど豚と生姜の旨味が感じられる味わい。
また、すりおろし生姜と一緒に食べることで生姜の風味をプラスできるため、生姜のおいしさを余すことなく堪能することができるのだ。トッピングされているネギのシャキシャキとした食感がアクセントとなっているのもプラスポイント。
豚肉と生姜好きの人にとって垂涎の逸品といえるだろう。
すき家/ゴマだれ豚カルビ丼(並盛)/630円
すき家から3月2日に新発売となったのは、にんにくや生姜を用いた専用のたれに漬けこんでじっくり焼き上げられた豚バラ肉を使用した「豚カルビ丼」。その「豚カルビ丼」にピリ辛の特製ゴマだれをからめたのが「ゴマだれ豚カルビ丼」である。
実食してみると、1枚1枚丁寧焼かれているおかげか、豚カルビ肉は香ばしくプリプリとした食感。噛むたびに旨味があふれてくるため、米がどんどん進んでしまう。特製ゴマだれも、ゴマの風味が凝縮されていて非常に濃厚。ピリッとくる辛さも程よい刺激であり、最後の一口までおいしく味わい尽くすことができた。
また、本品にキムチを追加した「ゴマだれ・キムチ豚カルビ丼」も同時発売されているので、気に入った人はそちらも試してみてはいかがだろうか。
すき家/チーズ牛カルビ丼(並盛)/800円
3月3日より発売されたすき家の「チーズ牛カルビ丼」。2020年6月に発売を開始し、その後も不定期に発売されていたが、改めて復活したとのこと。ご飯の上に、とろりとしたチーズとジューシーに焼き上げられた牛カルビ肉が乗せられた1杯だ。
本品の復活を受けて、SNS上では「さっそくいただきました!」「リピート不可避」など、食べた人々から絶賛する声が続出している。
実食してみると、カルビ肉は脂身と赤身が程よくのっているため、ジューシーな味かつやわらかい食感で絶品。特製焼肉だれは旨味たっぷりで、カルビ肉のおいしさを底上げしている。そして、温められたチーズはカルビ肉と絶妙にからみ合い相性抜群であったため、食べる手が休まらないほどだった。
松屋/ラタトゥイユカレー生野菜セット(並盛)/690円
松屋から3月1日より発売された「ラタトゥイユカレー生野菜セット」。夏野菜を煮込んだフランス料理であるラタトゥイユをイメージしたカレーとなっており、パプリカ、ズッキーニなどの南欧風野菜をたくさん使用している。そのため、本品だけで1日の野菜摂取必要量の半分を摂ることができるという。
実際に食べたSNSユーザーの声を見てみると、「さまざまな味が喧嘩することなくお互いの味を引き立てていた」「野菜がいっぱい摂れて健康的」など、好意的な感想を抱いている人が多かった。
実食してみると、まずはトマト煮込みの酸味と旨味が強調されたコク深い味付けに惹き付けられる。ルー自体にしつこさは感じず、あっさりとしているため、純粋に野菜の旨味が抽出されているのだろう。普段、松屋が提供しているカレーとは一味違うカレーを食べたい人におすすめしたい商品だ。
松屋/おろしポン酢豚めし(並盛)/400円
2月1日に発売された松屋の「おろしポン酢豚めし」。松屋の「豚めし」は2012年1月に終売してしまったが、消費者からの熱い支持を受けて、およそ10年の時を経て復活。以前の豚めしとは異なり、さっぱりとした味を求めてリニューアルしたとのことだ。
本品では豚肩ロースの赤身肉が使用されており、食べ応えがある豚肉の食感を味わうことができる。実食してみると、豚肉と玉ねぎの旨味がしっかりと感じられるが、くどくはなく食べやすい。特におろしポン酢との相性は抜群であり、さっぱりと美味な味わいだった。
――牛丼の他にもカレーやカルビ丼など、さまざまなメニューがラインナップされている牛丼チェーン。そのため、どれも魅力的に見えて、何を頼めばよいかわからない人もいるかもしれない。その際、本記事を参考に商品選びをしていただけると幸いである。
※情報はすべて3月30日時点のものです。
(文=A4studio)