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きらやか銀行、コロナ特例を利用した3度目の公的資金注入は許されるのか?

文=Business Journal編集部
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きらやか銀行(「Wikipedia」より)

 じもとホールディングス(HD、仙台市)傘下のきらやか銀行(山形市)が金融機能強化法に基づく公的資金の注入を金融庁に申請する方針を正式に表明した。コロナ禍で打撃を受けた地域経済を支えるため、注入条件を緩和した特例制度での申請の「第1号」になる見込みだ。

 きらやか銀行の川越浩司頭取が山形市の本店で開いた記者会見で、公的資金を申請する理由を「今後も(取引先を)支えていくため、公的資金を入れていただく」と説明した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた取引先に中小の温泉旅館やサービス業が多い。これら事業者に対するコロナ関連融資は3610件920億円に上る(2022年3月末)。

 川越頭取は「今まで以上にリスクテイクを行う観点から、あらかじめ資本を増強しておく必要がある」と強調した。じもとHDの鈴木隆社長(仙台銀行頭取)は仙台市で開いた記者会見で、「仙台銀ときらやか銀は業種構成がかなり違う。仙台銀は不動産が4割近く占める。不動産はコロナの影響をそれほど受けていない。きらやか銀の顧客には温泉旅館業などコロナの影響を受ける中小企業が多く、ビジネスモデル転換の支援に積極的に取り組む必要がある。今まで以上にリスクを取る観点からあらかじめ資本を増強するのが不可欠だ」と述べた。

 申請する金額や時期は、じもとHDと、きらやか銀行で詰める。じもとHDが公的資金の注入を受け、同額をきらやか銀行に出資する仕組みを想定。じもとHDは200億円を下回る規模の申請を検討しているという。

 きらやか銀行はリーマンショック後の2009年に200億円、東日本大震災後の12年に100億円と、2度にわたり計300億円の公的資金を受け入れており、このうちの200億円が24年9月末に返済期限を迎える。会見で、川越頭取は返済原資となる自己資本は十分確保し、返済後も自己資本比率は6~7%になるとした。

 200億円の公的資金の返済で低下する自己資本比率を維持するため、新たに200億円弱の公的資金を受け入れるという狙いが見え隠れする。公的資金の注入が認められれば、地方銀行では14年の豊和銀行(大分市、160億円注入)以来8年ぶりとなる。

 きらやか銀行の経営状況は厳しい。21年3月期決算の純損益は過去最大の48億円の赤字となった。新型コロナによる株式市場の下落を見越し、有価証券の入れ替えに伴う資産運用の損失を出したほか、予防的な引当金を計上したことで与信関係費用が32億円と20年3月期の3倍近くに膨らんだことが響いた。

 粟野学頭取が21年6月の株主総会で引責辞任。常務の川越浩司氏が後任の頭取に就いた。粟野氏は、じもとHDの社長も退任。HD社長には、仙台銀行の鈴木隆頭取、HD会長にきらやか銀行の後任頭取の川越氏がなった。

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