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パチンコメーカーは倒産しても消滅はしない?そのカラクリ&特異な村社会の実態

文=清談社
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パチンコ台(「Wikipedia」より)
パチンコ台(「Wikipedia」より)

 射幸性の低下やファンの高齢化などによる客離れが進み、縮小傾向にあるパチンコ業界。景気の良い話はあまり聞こえてこない上に、5月末には中堅パチンコ機器メーカー・高尾の経営破綻が報じられ、その逼迫した状況が浮き彫りとなった。高尾は民事再生法の適用を申請し、経営再建を図る意向だという。

 業界内では、パチンコメーカーは経営破綻しても「破産(消滅)はしない」という不文律があるという。そのカラクリについて、パチンコ業界関係者に聞いた。

高尾が潰れるなら同クラスのメーカーも危ない

 5月末に報じられた高尾の破綻は、往年のファンに衝撃を与えた。高尾といえば、近年では「弾球黙示録カイジ」や「クイーンズブレード」などのヒットシリーズを持つ中堅メーカー。他にも「一騎当千」「銭形平次」「貞子3D」など、ニッチ向けな(だけど一部には人気のある)コンテンツを使ったマシンを多く持つことから、一部のマニアから絶大な支持を得ている。公式キャラクター「キレパンダ」も、その名の通り、パンダのくせにブチキレているという激しめのビジュアルで、パチンカーの間では長年親しまれていた存在だった。

 そんな高尾の不穏な状況が漏れ伝わってきたのは、数年前に起きた不幸な事件あたりからだったと、パチンコ業界関係者は語る。

「2017年に、当時の内ケ島正規社長がフィリピン旅行中に銃撃されるという事件が起きました。そのときは命に別状はなかったのですが、翌2018年にも名古屋の本社近くの車庫で内ケ島社長が再び何者かに襲われ、刺殺されるという衝撃的な事件が発生しています」(パチンコ業界関係者)

 これらの事件との関係性はないと思われるが、その翌年に、高尾はメーカーとしても大きな問題を起こしてしまう。

「2018年にリリースした『CR弾球黙示録カイジ4』について、実際と異なるスペックを公表していたという不正が発覚し、台の回収やホールへの補償問題に発展。メーカーとしての信用を落とした高尾への受注は激減し、以降は経営がいっそう苦しくなったようです」(同)

 奇しくも、当時はパチンコ業界全体の景気が悪くなっていった頃でもある。2019年12月期はG20サミットやラグビーワールドカップの開催で新台リリースを自粛し、2020年12月期以降はコロナ禍の影響でメーカー、ホールともに大きなダメージを受けた。

 それでも、高尾は戦意を喪失していたわけではない。昨年度は「弾球黙示録カイジ5」「Pリアル鬼ごっこ2」など、新たに7機種を投入。今年に入ってからも特殊なゲーム性を持つ「P一球魂 GOLDピラミッ伝」を発表するなど、ブレずに新機種を開発していた。

「そんな高尾がここにきて破綻したことから、パチンコ業界全体の衰えがうかがえます。パチンコメーカーの序列は、その歴史よりも、ヒット作をどれだけ出し続けられるかで変わってきますが、今のトップどころは三共・サミー・三洋。そこを京楽・藤商事・ニューギンあたりが追っており、高尾はそれ以外の西陣・豊丸・大一・平和・大都技研などのポジションでした。その高尾が潰れるなら、同じCクラスのメーカーはどこも危ないということになります」(同)

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