ユニクロ、ディテール追求＆破格に安い夏服5選…ドライEX“神”Tシャツも

　日本のファストファッション業界の絶対王者として君臨し続ける「ユニクロ」。国内で約800店舗、海外で約1500店舗を展開しており、今や世界的なブランドに成長している。

　だが最近はやや不安なニュースが続いているのだ。例えば6月の国内既存店売上高は前年同月比10.2％ダウンと、3カ月ぶりに前年実績を下回っている。また、原材料価格や物流コストが上がってしまっており、今秋から一部の商品を値上げするという。一例だが「フリース」は1990円から2990円、「ウルトラライトダウンジャケット」は5990円から6990円と、1000円程度の値上げになる見通しである。

　このように多少の不安要素は抱えているが、それでもベーシックなデザインで素材にこだわったユニクロ服の人気はまだまだ不動だろう。そこで今回は“この夏、買うべきユニクロ服”を5品リストアップし、ファッションライター経験もある恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地氏に、おすすめポイントを解説してもらった。

　今回、以下の5つを基準として選定した。

・ファッションビギナーでも比較的着こなしやすいこと

・難易度の高い“最先端のおしゃれ”は目指さないこと

・“ダサい”と思われるぐらいなら無難な着こなしにすること

・女子ウケが良く“ちょっとおしゃれ”と思われること

・無理に若ぶるのではなく、年相応に大人っぽく見られること

　では「この夏、買うべきユニクロの服5選」を紹介していこう。

オープンカラーシャツ（半袖）／2990円（税込、以下同）

　レーヨンコットン素材で柔らかな風合いを出し、ゆったりとしたフィット感を演出したオープンカラーシャツ。従来版をパターン設計から見直し、程良いドロップショルダーに変更するなど、モダナイズしたシルエットにアップデートされている。カラバリ（カラーバリエーション）はホワイト、オレンジ、ベージュ、オリーブ、ブルー、ネイビーの6色展開。

「“買うべき”理由は、オーソドックスなシャツなのでファッションビギナーでもスタイリッシュに着こなしやすいところですね。また、以前は胸ポケットが付いていなかったんですが、今回は胸ポケットが付いていて、これが利便性としても見た目のスパイスとしてもGOOD。6色展開されており、個人的にはオリーブとブルーが好みですが、基本的にどれも大人っぽい色味でハズレなしです」（堺屋氏）

ドライEXクルーネックTシャツ（半袖）／1500円

　アスリートも認めるドライEX機能を持つ吸汗速乾素材を使用しており、汗の乾きが速くさらりとした肌触りを実現。また、肌面に接触冷感性のある糸を使用したり、熱がこもる箇所や汗をかきやすい箇所にメッシュホールを空けて通気性を調整したり、ディテールにまでこだわっている。カラバリはグレー、ダークグレー、ブルーの3色展開。

「とにかくスポーツ時を想定した機能性の高さは折り紙付きで、爽快に運動できるような配慮がてんこ盛りになっています。そのこだわりのシャツが1500円というリーズナブル価格の時点で充分“買うべき”ですが、さらにデザインもスタイリッシュなんですよね。首回りや肩といった上部は濃いめのカラーで、そこから胸部や腹部の下部にいくにつれてグラデーションで色味が薄くなっていて、それがすごくかっこいい。機能性とデザイン性を兼ね備えた一枚なんです」（同）

永井博 UT グラフィックTシャツ／1500円

　アメリカで感銘を受けた景色をもとに、オリジナリティあふれる夏の風景画を描き一世風靡したイラストレーター・永井博氏のグラフィックを、大胆にバックプリントした白Tシャツ。正面はシンプルだが、背中側に真夏のプールのイラストを大きくあしらっているのだ。

「ここ数年で80年代の日本で流行った“シティポップ”が世界的に再評価されていて、永井さんの描く夏の風景は懐かしくもあり、最先端のトレンドでもあるんです。特に今回フィーチャーしたTシャツは、青々とした空とプールが鮮やかで、すごく洗練された印象があります。また大人男性の場合、フロントにどーんとプリントされているよりは、バックにプリントがあるほうが着こなしやすいので、このTシャツは買いですね」（同）

オーバーサイズオープンカラーシャツ（MARNIコラボ）／2990円

　ユニクロとイタリア発の人気ブランド・MARNI（マルニ）とのコラボレーションアイテムで、オーバーサイズで着こなすことを想定したリラックス感のある開襟シャツ。生地には高密度でハリ感があり、肌触りのなめらかなポプリン素材を採用している。カラバリはベージュとネイビーの2色展開。

「MARNIは高価格帯ブランドなので、アンダー3000円でMARNIの服が買えるというだけでも“買うべき”理由として充分。仮にそういったブランド志向は取っ払ってフラットな視点で見たとしても、ポケットや袖先にあしらわれたカラーステッチが絶妙なアクセントになっていて、すごくおしゃれなんです。このステッチ使いがMARNIらしさでもあるので、個性と洒脱さが同居しているシャツですね」（同）

感動イージーショーツ／2990円

　速乾、伸縮、軽量の機能を兼ね備えた、東レと共同開発した生地を採用した感動イージーショーツ。ニューヨーク生まれのコンテンポラリーファッションブランド・Theory（セオリー）とのコラボアイテムでもある。カラバリはライトグレー、ブラック、カーキ、オリーブの4色展開。

「機能性とファッション性を両立させていて、ユニクロの底力が垣間見えるアイテムと言えるでしょう。ストレッチ性が優れているから動きやすいですし、肌触りはなめらかなので猛暑日でも不快感は少ないはず。形は太すぎず細すぎずのちょうどいいボックスシルエットで、夏のきれいめカジュアルコーデを作るのにうってつけですね。ショーツは子どもっぽい印象だから穿くのを躊躇しているという人もいるかもしれませんが、これならクリーンで落ち着いたイメージをキープできるので、涼しく夏を乗り越えられると思います」（同）

　近年のユニクロは生地へのこだわりが強く、機能性の高いアイテムが多い。また、一見シンプルながら、実はディテールまで追求したデザインで、ファッション性の高いアイテムも非常に増えている。今回紹介した5アイテムは、機能性とファッション性を同居させつつ、価格もリーズナブルという“隙なし”の服ばかりだ。今夏のユニクロでの買い物の参考にしていただけると幸いである。
（文・取材＝A4studio）

※情報は2022年7月11日現在のものです。