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美川憲一が広告塔、空気清浄機が景表法違反…楽天イーグルスのスポンサー継続

文=Business Journal編集部
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消費者庁から課徴金納付命令が発出されたアップドラフトの公式サイト

 歌手の美川憲一を広告塔に据え、プロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」やプロバスケットボール「仙台89ERS」やどのスポンサーを務める事業者が景品表示法に違反していたことがわかり、各方面に波紋が広がっている。消費者庁は14日、アップドラフト(仙台市太白区)に対し、同社が取り扱っている空気清浄機「滝風(たき)イオンメディック」の商品表示について、景品表示法に基づく課徴金納付命令を発出した。課徴金額は2864万円。

 課徴金納付命令の根拠は景品表示法第8条第1項。発表によると、課徴金対象行為となった「表示媒体」は、美川憲一の写真が用いられた同社のカタログと「Amebaブログ」で、表示期間は2019年5月1日~12月11日までの間。

浮遊するウイルスをマイナスイオンで分解・除去?

 同庁は、同カタログの同商品記載内容が「あたかも2400万ions/㏄以上のマイナスイオンを発生させ」、発生したマイナスイオンの作用によって、「6畳から最大80畳までの空間において、浮遊するインフルエンザウイルスを除去及び付着するインフルエンザウイルスを不活化する効果、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、サルモネラ菌及びレジオネラ菌を除菌する効果、アレルギー物質、浮遊ウイルスを分解、除去する効果並びに衣類の付着臭を分解、除去する効果が得られるかのように示す表示をしていた」点、ブログに「白血球が大きくなって、免疫力が高くなる効果が得られるかのように示す表示をしていた」ことなどを問題視したという。

 同庁などが表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されたが、「当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった」という。ブログの一部記載には「商品の体感、効果には個人差がございます」という「打消し表示」がなされていたが、「一般消費者の商品の効果に関する認識を打ち消すものではない」と判断したという。

昨年は優良誤認認定も地元プロチームのスポンサー継続

 消費者庁表示対策課の担当者は、「アップドラフト社には21年6月17日、『滝風イオンメディック』のカタログとブログの商品表記に関し、優良誤認(景品表示法第5条第1号)を認定し、措置命令を出しています。そうした経緯があった上で、あらためて今回の命令となりました」と説明する。

 アップドラフトはプロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」のオフィシャルスポンサーであり、プロバスケットボール「仙台89ERS」のトップスポンサーだ。14日午後4時現在、楽天球団と89ERS 、双方の公式サイトのスポンサー一覧上に同社名ロゴを確認できるほか、同社も両球団のスポンサーである点を公式サイト上で強調していた。

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仙台89ERS公式サイトより
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東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイトより

 つまり消費者庁優良誤認指摘・措置命令後もスポンサーを続けていたことになるのだが……。仙台89ERSに事実関係を確認をしたところ、アップドラフトがトップスポンサーであることを認めた上で、今後のスポンサー契約の方針について次のように回答した。

「現在、事実関係を確認しています。状況が確認できた後に弊社の対応も決定します」

 89ERSの運営に協力した経験のある元仙台市幹部は次のように語る。

「アップドラフトさんは昨年の措置命令以降、商品表記を修正し、正しい情報発信に努めているのだとは思います。ただ国がこのように優良誤認などの典型例として発表し、実際に処分を科す事態になったことは重く受け止めなければいけません。

 チームは設立当初、広告収入が脆弱で赤字経営が続いていました。経営母体が変わったことで改善はあったでしょうが、サッカー、野球の各地元プロチームに比べ、広告収入の厳しさは現在もあまり変わっていないと思います。

 そもそも昨年、優良誤認が発覚した段階で、課徴金納付命令に至る可能性は十分予見できたでしょう。しかし、アップドラフトさんはチームにとって核となるスポンサーです。違反行為もコロナ禍以前の2019年のものなので、(チーム運営は)大きな問題と捉えていないのかもしれません。

 今、健康や感染予防関連のフェイクニュースや事業者の優良誤認表記に対し、消費者の怒りは高まり続けています。プロスポーツチームは地元テレビや地元紙による報道で取り上げられる公共性の高い団体です。視聴者や読者は、ユニフォームや競技会場に掲出された会社名や商品名などを、各メディアのスポーツニュースの中で無意識に認知し、記憶にとどめていくからです。

 Bリーグのように地元自治体のファンの応援で成り立っているようなプロチームのトップスポンサーが、科学的根拠に乏しい商品を売っていたというのは望ましいことではないとは思います」

(文=Business Journal編集部)

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