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スタジオジブリ、経営混乱騒動の真相…鈴木氏に女性問題か、新作公開に影響の懸念は

文=Business Journal編集部
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三鷹の森ジブリ美術館(「Wikipedia」より

 スタジオジブリのプロデューサーで現社長、鈴木敏夫氏による女性関係をめぐる公私混同で同社の経営が混乱していると「週刊女性PRIME」が報道。ジブリは、宮崎駿監督の作品としては10年ぶりの長編映画『君たちはどう生きるか』の公開を7月に控える重要な時期を迎えているだけに、同作品の公開に影響がおよぼされないか心配の声も広まっている。

『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など数多くの大ヒット映画を生み出してきたアニメ制作会社のジブリ。『天空の城ラピュタ』制作時の1985年に徳間書店によって設立され、同作のヒットを足掛かりに、当時では珍しく長編アニメーション映画だけを手掛けるアニメスタジオとして、宮崎氏と高畑勲氏の両監督を中心に次々とヒットを連発してきた。

「現在でもその傾向が強いが、アニメ長編映画は企画から制作、配給に至るまで東映や東宝など大手の映画会社が手掛け、そこから中小の下請け制作会社に仕事が振られるというのが一般的だった。そんななか、独立系のアニメ制作会社で企画から制作までをこなし、さらに長編アニメ映画しか手掛けないというジブリの存在はかなり異質。また、アニメーターの低賃金化が定着していた業界でスタッフの正社員化と固定給化により待遇改善を図ったという点も、のちの業界全体の待遇改善に少なからず影響を及ぼしたといえる。ちなみに、ジブリの事実上の第一作目『風の谷のナウシカ』では、『エヴァンゲリオン』シリーズや現在公開中の『シン・仮面ライダー』の庵野秀明監督が一スタッフとして作画を担当し、宮崎監督からその才能を高く評価されていたことは有名な話」(映画業界関係者)

 ジブリが打ち立てた数々の記録は、今さら説明不要だろう。2001年公開の『千と千尋の神隠し』は20年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に抜かれるまで国内歴代興行収入1位に君臨し、同ランキングトップ10には『もののけ姫』(1997年公開)、『ハウルの動く城』(2004年公開)を含む3本のジブリ作品が名を連ねている。海外でもその存在は認められており、03年には『千と千尋の神隠し』が米アカデミー賞の長編アニメーション部門でオスカーを受賞するという快挙を達成。15年にも『かぐや姫の物語』が同賞にノミネートされるなど、ジブリ作品は海外でも高い評価を得ている。

 その後、宮崎監督は2013年の『風立ちぬ』公開後に引退を発表したが、その4年後の17年に新作長編映画の制作に取り掛かることを発表し、現役に復帰。その復帰作が7月公開の『君たちはどう生きるか』となっている。

「宮崎監督が引退を表明した翌年、ジブリの制作部門は解散され、制作活動は事実上の休止状態となり、会社としての事業のメインはジブリ美術館の運営や過去の作品のソフトコンテンツ化などに移っていった。『君たちはどう生きるか』の制作にあたってはスタッフの募集から始まり、それだけに本当に完成に至ることができるのか懐疑的な見方も強かった。長期のブランクを経た宮崎監督と急遽寄せ集められたスタッフでつくられるということもあり、その出来には心配の声があるのも事実。ジブリ作品の定番となっている『公開前に内容をまったく公表しない』という宣伝戦略もあり、『君たちはどう生きるか』がどんな内容なのかは、まったく伝わってこない」(映画業界関係者)

『君たちはどう生きるか』は予定どおり公開か

 そんな宮崎監督の新作公開目前という重要な時期にあるジブリをスキャンダル報道が襲った。3月28日配信の「週刊女性PRIME」記事は、プロデューサーの鈴木敏夫氏によるタイ人女性をめぐる公私混同ぶりで経営が混乱していると報道。「週刊女性」によれば、20年に出版された「ジブリ美術館」公式写真集において、鈴木氏はカメラの経験がないこの女性をジブリ公式フォトグラファーに起用したほか、鈴木氏の指示により同社社員が女性に関するさまざまな雑用をやらされたり、女性の渡航費や滞在費の支払いがジブリの負担になっているという。

 また、星野康二社長(3月で退任)が鈴木氏を「公私をきちんと分けてください」と諫めたことがきっかけで、鈴木氏が星野氏を社長から退任させ、6月付けで星野氏は退社することになったとも伝えられている。ちなみに星野氏は3月末をもって社長を退任し、4月に鈴木氏が社長に就任したことが発表されている。

 鈴木氏の振る舞いがジブリの経営混乱を招いているというのは事実なのか。ジブリに質問状を送付したが、期日までに回答を得られなかった。

 気になるのが『君たちはどう生きるか』公開に影響があるのかどうかだが――。

「作品はすでに完成しており、7月公開の前提ですでに全国の劇場で予定が組まれており、3カ月前の現段階で何も発表がないということは、予定通り公開されるのは間違いない。ジブリは良い意味でも悪い意味でも鈴木さんと宮崎さんの会社であり、強烈な個性を持つ2人のやり方に口を挟める人間は誰もいない。特に新作の制作が発表されて以降のここ数年は、久方ぶりの長編制作ということで社内には尋常じゃないほど負荷がかかっていたと考えられるので、そうしたなかでトップである鈴木さんに対する不満や批判が出てきてもおかしくはなく、それが週刊誌報道というかたちで現れたのかもしれない」(映画業界関係者)

(文=Business Journal編集部)

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