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大企業発の知見で再エネ事業を支える。関西電力発スタートアップ・イノスタの実務力

2026.01.09 2026.01.08 22:18 企業

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急速に普及が進む再生可能エネルギー。その一方で、現場では
「一般送配電事業者への電力系統接続の申請が複雑すぎる」
「想定外の工期延長やコスト増大への対処ができない」
こうした“申請と制度理解”の壁が、再エネ拡大の足元で静かにブレーキをかけています。

FIT制度以降、再エネ領域への新規参入事業者の増加に伴い、複雑化する再エネ事業の裏側を支える存在として誕生したのが、関西電力発のスタートアップ 株式会社イノスタです。

今回は、レジル株式会社の事業開発グループ ジェネラルマネージャー 安藤圭祐氏が、代表取締役の梅林英貴氏に、イノスタ誕生のきっかけや、再エネ事業の課題について伺いました。

関西電力発スタートアップが見出した“再エネ申請の壁”

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安藤:イノスタの立ち上げの背景を教えてください。

梅林:私は現在も関西電力に在籍しており、昨年6月に出向起業という形でイノスタを創業しました。関西電力は、外部VCであるGlobal Catalyst Partners Japanに出資し、大企業では実行が難しい領域での事業開発を後押しする取り組みを行っています。イノスタもその枠組みの中で誕生しました。

私はこれまで、新規事業に関わるベンチャー投資やビジネスコンテストの運営に携わってきましたが、社内公募をきっかけに「自分がプレーヤーとして事業を創りたい」と考え応募したことが、イノスタ立ち上げのきっかけです。

安藤:イノスタの場合、立ち上げ時点で事業内容が決まっておらず、自由度を持たせてビジネスモデルを学び、小さな失敗経験も含めてゼロから事業創造に取り組むという、非常に特殊な状況だったと聞きました。そのような状態から、どのように現在の事業につながるアイデアを生み出したのでしょうか?

梅林:事業の起点となったのは、系統接続の申請に対する課題意識です。

我々は、高圧・特高設備※1を中心とした受変電設備の設計支援や、系統接続の申請手続きのサポートを行っています。この申請業務は非常に複雑で専門性が高く、再生可能エネルギー普及の障壁のひとつになっていると考えたことが、事業の原点です。関西電力内でも「申請が難しい」と課題意識を持つ社員は多かったと思います。

安藤:申請作業は代行ではなく、サポートという形が中心なのでしょうか?

梅林:どちらも行っています。当初はサポート業務中心でしたが、やはり我々がすべて巻き取って進めた方がスピーディーに進められるため、代行依頼も増えています。

お客様は発電事業者、電気工事業者、発電機メーカーを中心に、最近では発電に関わる設計や工事などを一貫して請け負うEPC事業者さまからの依頼も増えています。関西に限らず全国から依頼があり、再エネの導入が決定しているものの、申請リソースが不足しているお客さまのアウトソースや、「この土地に発電所を設置できるか」といった構想段階の相談まで幅広いです。後者は鉄道や不動産など、発電事業以外が主力でない企業が多い印象です。

※1:比較的大規模な工場や発電所などで用いられる受変電設備

再エネ事業を揺るがす“知識格差” のリアル

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安藤:申請手続きの煩雑さは、多くの事業者が抱える課題ですね。系統接続の手続きを行う一般送配電事業者各社が、手続き手順などに関する説明資料を用意していますが、内容が専門的かつ複雑であると感じています。特に近年では、読み解く専門性を持たない企業も発電事業に参入してきています。

梅林:やはり専門知識の格差は、系統接続の申請においても、課題を生み出していると感じています。

一つは、申請の長期化です。手続きの理解不足や不備による差し戻しが繰り返され、再申請に時間がかかるうえ、一般送配電事業者も膨大な件数の申請を処理できない状況が生まれています。

それに伴い、各事業者の事業計画に遅れが生じることがあります。また、一般送配電事業者からの接続検討の回答により、工事期間や予算が事業者の想定を大きく上回ることがあります。数年・数億円単位でズレることもあります。専門知識がなければ理由の妥当性を判断できず、結果的に発電事業自体が頓挫してしまうというケースもあります。

安藤:電気は人々にとっての生活インフラなので、安定供給の責務を負う一般送配電事業者が、系統に機器を接続する事業者に求めるクオリティは高くなることは当然だと思います。

梅林:一方、一般送配電事業者の視点に立って接続検討の結果を読み解くと、設備の仕様や工事の内容等に別の手段が考えられることもあります。このような技術的な観点で一般送配電事業者との協議を行うことも、事業者にとっては大きな課題となっています。

大企業の知見×専門家チーム──イノスタが提供する“唯一無二の申請支援”

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安藤:こうした課題に対し、イノスタの強みはどのような点でしょうか?

梅林:まず、電力会社出身の専門人材が業務にあたっているため、制度や技術に対する深い理解があることですね。電気工学は成熟した学問であり、経験の蓄積が重要です。知識豊富な人材がチームとして動く点は、信頼していただく大きな理由です。

安藤:各事業者には、業務委託として依頼して行うケースもありますが、属人的で知見が社内に蓄積されません。一方、イノスタは会社として知見が蓄積されていくことも特長のひとつですね。

梅林:専門知識といってもその範囲は多岐に渡ります。イノスタでは、さまざまな分野のスペシャリストがチームを組んで業務にあたっています。蓄積している専門知識の幅と深さは大きな強みですね。

系統接続の申請は担当者が他業務と兼務していることも多く、コミュニケーション不足や機会損失が生じやすい業務です。我々がカバーすることで申請のスピードも上がり、業務の取りこぼしも防げます。

また、申請回答書が大きく想定と異なる場合、その背景や意図を読み解いたうえで折衷案を提案できます。工期短縮や予算改善に向けた交渉の場に同席することもあります。

安藤:電力会社の知見の深さと信頼性を持ちつつも、“第三者性”を保てることも強みだと感じます。そしてなんといっても、電力会社出身の方々が企業としてこの事業を行っていること自体が、大きなアドバンテージだと感じます。現状、競合となる企業は少ないのではないでしょうか。「電力会社発のスタートアップが一丁目一番地を取りにいった」という印象があります。

申請支援から電気保安・AI活用へ──プラットフォーム構築を見据えた次の展開

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安藤:今後の具体的な事業のアップデートがあれば教えてください。

梅林:系統接続にとどまらず、申請のサポート・代行ができる領域を広げたいと考えています。たとえば施工時に自治体へ提出する「工事計画届」も複雑で、つまずきやすいポイントです。電力会社が発電所の建設を行ってきた経験を活かし、これらの支援にも対応していきたいです。

またフロービジネスである申請支援に加えて、電気設備や発電所のメンテナンスといった電気保安事業領域にもビジネスを広げ、継続的な価値提供につなげたいと考えています。

安藤:電力の制度やルールは変化が早く、第7次エネルギー基本計画に基づく再エネの更なる普及に伴い、イノスタのような電力会社出身者を核とする本事業は自然と拡大していくのではないか、と予想しています。イノスタの今後の展望としてはどのようなものを描いているのでしょうか?

梅林:まだまだ活用しきれていない人材を探し出して活用すると同時に、AI・デジタルの活用を進めて業務速度を上げていく仕組みをつくりたいですね。

メンテナンス情報のデジタル化、知見のデータベース化、AIによる申請内容のチェックなどが実装できれば、電気事業全体を支えるプラットフォームに発展できるはずです。
そして、複雑な申請プロセスが効率化すれば、一般送配電事業者や電力広域的運営推進機関(電力の安定供給のため全国の送配電を調整する中立機関)との連携も進み、全体として申請/受理のスピード向上につながる可能性があります。

電力・再エネの領域には、まだ多くのニッチな課題が残っています。電力会社発のスタートアップとして現場のリアルを把握し、一つひとつに向き合うことで再エネ拡大と脱炭素に寄与していきたいと考えています。

常に制度が変化し続ける再エネの現場には“知識ある伴走者”が欠かせません。

関西電力という大企業が培ってきた制度と技術の深い知見を継承しつつ、スタートアップならではの機動力と第三者性で課題に挑むイノスタ。複雑化する再エネ事業の裏側で、彼らは「確かな道筋」をつくり続けています。

※本稿はPR記事です。

BusinessJournal編集部

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