「あるキャバクラ嬢に入れあげていたらしいです。それから、その社員は取引先の受付嬢に指輪をプレゼントしていました。その指輪が会社に返品されてきて、会社にバレました。1年以上うつ病で会社を休んでいた人なのですが、結局解雇されませんでした。そればかりか、数年経ったら昇進していたのには驚きました」(B社社員)
出版社は誌面デザインを社外のデザイン事務所に依頼し、取材や編集を編集プロダクションに任せることも多い。そうした社外の取引先と癒着が生まれることがある。B社の編集局長は複数の編集プロダクションからバックマージンをもらっていたという。
「その局長は新しく付き合い始めた編プロにそれとなくバックマージンを要求したところ、その編プロ担当者はマジメな人で、局長の意図していることがわからず、『今度食事でも』と言ったところ、取り引きを切られたそうです」(同)
また、B社には正社員だけでなく、契約社員やアルバイト社員の編集部員も多数いるが、ある契約社員が次のように明かす。
「中途入社するとき、労働契約書にサインしてほしいと言われたので書面を見ると、月給の金額が入っていませんでした。編集長は『ウチは一律25万円だから書く必要もないかと思って』と言い訳していましたが、社内で聞くと月給は人によって違いました。仮に編集長の言うとおりだとしても、契約書に年俸なり月給なりの金額が書いてないなんてあり得ません」
なお、この契約社員によれば、中途で正社員になれる可能性はほとんどなく、クライアントの子息や取引先の関係者など、なんらかのかたちで広告受注につながりそうな人だけが正社員になれるのだという。
ワンマン社長のせいで社内険悪
どこの業界にもワンマン経営者が君臨する企業があるが、雑誌から書籍まで幅広く手がけるC社もそうだ。毎年、社長の“マイブーム”で採用方針が決まるのだという。C社社員が明かす。
「ある年は『クスリをやってそうなヤツを採れ』と指示が出て、ブッ飛んでいる人を採用していました。ウチの編集部には配属されなかったので、どんな人なのかわかりませんが、すぐに辞めたと聞きました」
そのC社は、読者層が近いなどやや競合する雑誌の編集部をわざと狭い部屋に集めているのだという。
「社長は編集部どうしを競争させて士気を高めたかったみたいですが、競争よりも対立の構図が生まれて、編集部どうしで仲が悪くなっただけでした。それから、これは社長の指示かどうかわかりませんが、机の周りが汚いと抜き打ちで写真を撮られ、全社メールされます。そうした環境なので、若手の離職率は高いのです」(別のC社社員)