初心者でも「B to B輸入ビジネス」で成功するための7つのフロー
がんばって良い商品をつくっているのに、なかなか売れない。良いサービスを提供しているはずなのに、客が定着しない。
「がんばっているけれど利益が上がらない」という経営者や個人事業主の悩みは、今のビジネスの限界を示しているといえる。高度経済成長期の「つくった分だけ売れる」前提のビジネスモデルではなく、新たな仕組みをつくり上げないといけないのだ。
では、そのために必要なことは何か。ジェトロ認定貿易アドバイザー(現:AIBA認定貿易アドバイザー)の資格を持つ輸入ビジネスアドバイザーの大須賀祐氏は、著書『価格はアナタが決めなさい。』(集英社)で「価格を自分で決められる立場になる」という解を私たちに提案する。
この連載では、本書をもとに大須賀氏が提唱する「B to B輸入ビジネス」について迫っている。差別的優位性を高め、自分で価格を決められる立場になるための手段として「B to B輸入ビジネス」はうってつけ。海外の展示会に赴き、「これは!」と思う商品を見つけ、独占販売権を結ぶ。ただし、いきなりやるのは失敗するので、まずは試しに国内の展示会で商品を出してみる。そして、より利益の大きい取引が可能な「to B」でのビジネスを行う。大きなコストもかからないので、中小企業の新規事業や、個人で事業を始めたいときに効果を発揮するのが特徴だ。
最終回となる今回は、輸入ビジネスを成功させる7つのフローから、ポイントとなる点を挙げて説明する。
B to B輸入ビジネス、成功のための7つのフロー
大須賀氏が提唱する輸入ビジネスには、下記の7つのフローがある。
(1)輸入ビジネスに取り組む準備をする
(2)海外の展示会で商品を探す
(3)独占販売権を獲得する
(4)サンプルをオーダーする
(5)差別的優位性の伝え方を考える
(6)国内の展示会で商品を売る
(7)本格的に輸入ビジネスに取り組む
実際に行動し、これらのステップを一つひとつクリアしていくことが、成功につながると大須賀氏は述べる。
さて、前述のように、このビジネスの大きな特徴のひとつは商品の発掘を「海外の展示会」で行うということだ。
そのための準備としてまず大事なのは、自分の名刺を英語でつくること。とても基本的なことのように思うが、そのくらい抜けてはいけないものである。このとき、肩書きを「Importer」にしたり、新たに個人で事業を立ち上げるなら「○○trade」などの屋号を入れると、取引先候補からの信頼性が増すという。
続いて、商品を探す海外の展示会を決める。これは、ジェトロ(日本貿易振興機構)のサイトなどで探すことができる。大須賀氏は本書でいくつかのおすすめ展示会を挙げているが、最初に挙げられているのが、世界最大の消費財の見本市といわれる、ドイツ・フランクフルト で開催される「アンビエンテ」だ。毎年2月に5日間をかけて開かれる展示会で、5日かかってもすべてまわりきれないほど広大だという。
ただ、有名な展示会にはライバルも多く参加する。そこで、慣れてきたらスペインやポルトガルといったローカル色の強い展示会に行くという手段もある。掘り出し物が見つけられるかもしれない。