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最近目にする「ファーストキッチン・ウェンディーズ」がひそかにブームの理由

文=松嶋千春/清談社
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ファーストキッチン・ウェンディーズ | Wendy’s First Kitchen」より

 ダイエー、ゼンショーと営業母体が移り代わり、そのたびに日本出店と撤退を繰り返してきた、アメリカ発のハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」。2011年にヒガ・インダストリーズが新会社を設立し、3度目の日本展開を開始した。さらに、16年には日本のハンバーガーチェーン「ファーストキッチン」を買収。2つの店名を冠した「ファーストキッチン・ウェンディーズ」という業態で出店を進めると、売り上げが平均30%も増加したという。

 その結果、店舗数は41にまで増加(18年12月時点)している。なぜファーストキッチンとウェンディーズのコラボレーションが人気を集めているのか。フードサービス業界記者歴35年でフードサービス・ジャーナリストの千葉哲幸氏に聞いた。

飲食業界で拡大する“ファストカジュアル”の波

「1990年代頃から、アメリカでは『カジュアルレストランのクオリティをファストフードで』というコンセプトの『ファストカジュアル路線』の飲食店が拡大してきました。その流れが日本にもやってきていることが理由のひとつです」(千葉氏)

 15年11月、アメリカのファストカジュアル路線のハンバーガーチェーン「シェイク・シャック」が日本1号店をオープンさせた。この頃から、日本のハンバーガー業界全体が高級路線に寄り始めている。

「マクドナルドが具材を充実させた500円前後の商品を投入したり、モスバーガーはワンランククオリティの高い『モスクラシック』を再出店したりと、各チェーンがファストカジュアルの波に乗り遅れまいと施策に取り組んできました。ウェンディーズも、11年の再上陸当時からファストカジュアル路線を目指していました」(同)

 アメリカ本国でのウェンディーズは、「マクドナルドやバーガーキングよりもワンランク上のブランド」と認知されており、もともとファストカジュアル路線だった。しかし、日本では過去、そのポジションニングがうまく表現されていなかったという。

 その打開策のひとつとして、15年3月にファーストキッチンとウェンディーズの2店を融合させた業態を六本木に初出店したととらえていいだろう。

「このときは、まだテストマーケティングの段階だったので、メニューはウェンディーズとファーストキッチンが半々でした。ウェンディーズとしては、若年層のファンが多いファーストキッチンとコラボすることによって、さまざまな客層を取り込めるとにらんだのでしょう。しかし、蓋を開けてみたら、客側もファストカジュアル路線にシフトし始めていて、高級バーガーを支持するほうが多かった。そこで、ハンバーガーのメニューはより高級感のあるウェンディーズ中心の構成にシフトしていったと考えられます」(同)

 現在のファーストキッチン・ウェンディーズのメニューを見ると、主力のハンバーガーは特徴的な四角いパティを使ったウェンディーズ側の比率が高い。サイドメニューでは、ウェンディーズの人気メニュー「チリ」も健在だが、その他のパスタやフレーバーポテト、石窯スープパンなどはファーストキッチンの系譜を継いでいる。

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