少年は7月末頃、始業前に店長にファミリーレストランに呼び出され、腹部を殴るなどの暴行を受けたため、8月上旬に同僚数名と山梨県警甲府署に相談。その数日後、就業中に再び頭部を殴られるなどの暴行を受けた。そのため警察は、少年に店長との連絡を遮断するよう指導し、8月下旬に店長から任意で事情を聴くなど捜査をしている。
同店の労働環境は無法状態だ。少年は店長に指示され、1日8時間以上の残業や、22時以降の深夜労働を強いられていた。給料明細も交付されていなかった。
「閉店後作業や店長の車の掃除などを指示され、深夜2時頃まで続くことはざらにありました。仕事が終わってからも、店長のダーツやボーリングといった遊びに付き合わされます。断ると『残業をしないと、仕事を減らす』と言われ、実際に週6日から週4日程度に減らされました」(少年)
この少年は昨年9月から同店で勤務していたが、10月に父親を亡くし、母親は離婚していたため、仕事を減らすわけにはいかない事情があった。同店で上記のような違法な操業が行われるようになったのは問題の店長が赴任してきた今年5月からで、店長も少年の状況を認識していた。
同店を経営していたのは、山梨県や神奈川県などでピザーラのフランチャイズ店を運営する株式会社クラウドプロスパー(新宿区)。同社は、「(暴行について)情報は把握しており、関係者の話を聞き事実関係を調査したうえで、厳正に対処する。(深夜労働について)過去に15分間の深夜労働を労基署に指摘されたが、さらに超過したという指摘があれば、調査したうえで厳正に対処する」と述べた。
また、フランチャイザー(本部)であり、同店の労務管理にも携わっていた株式会社フォーシーズは「事実関係を調査中」と回答した。
(文=村上力/フリーライター)