ケンタッキーフライドチキンも、マクドナルドと同じように店内と持ち帰りで税込み価格を統一する。主力商品のオリジナルチキン(1ピース)の価格も現行の250円のまま据え置くことを、他社に先駆けて7月の段階で発表している。ケンタッキーは持ち帰り客が全体の約70%といわれ、増税の影響は少ないと見られるため、早期に発表できたのかもしれない。しかし、ほかの商品の価格については、まだ検討中とのこと。
モスバーガーは、10月以降はメニューを税別価格で表示し、消費税は持ち帰り8%、店内10%となる。ファストフード店ではありがちだが、持ち帰ろうと思ったが気が変わり、店内で飲食するというケースも出てくるだろう。この場合、差額の2%を払う必要はないが、ほかの客からのクレームなどが予想され、トラブルが起きないか多少の不安は残る。
コーヒーチェーン
お昼はカフェで一休みしているという人も、10月以降は注意が必要だ。ベローチェはドリンク、サンドイッチ、デザートの一律10円値上げを発表している。コーヒー1杯200円と他社よりもお手頃な価格で提供していたが、この機会に全体の価格体系を見直すようだ。また、店内と持ち帰りで税込み価格は統一するという。
ベローチェは値上げによる客離れを防ぐため、9月30日までの期間限定でドリンク10杯分の回数券を1500円で販売している。回数券は10月1日から来年1月31日までの4カ月間使え、対象ドリンクのコーヒーと紅茶が1杯あたり150円になるので、かなりおトクなキャンペーンといっていいだろう。ベローチェを頻繁に利用する人は、この機会に回数券を買っておくことをオススメしたい。
大手2社のドトール、スターバックスは本体価格は据え置き、10月からは店内と持ち帰りで税込み価格を分ける。たとえば、ドトールの現行220円のブレンドコーヒーSサイズは本体価格の204円がメニューに表示され、店内では224円、持ち帰りでは220円に。こちらも1円単位の会計が増えるので、キャッシュレス決済がスムーズかもしれない。
増税への対応はチェーン店によってさまざまだ。現時点では、すき家、松屋、マクドナルド、ケンタッキーの店内飲食は、注文するメニューにもよるが、実質的に値下げになることがわかった。出費がかさむ年末年始に向けてランチ代をコツコツ節約するためには、10月1日以降に明らかになる各社のメニュー価格一覧にも注目してもらいたい。
(文=清談社)