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三菱地所が「丸の内の大家さん」、森ビルが「港区の大家さん」と呼ばれるように、東急は「渋谷の大家さん」を目指す。競合大手は東京都心各所で大規模開発を手掛けているが、東急は渋谷に集中する。市場関係者が目を向けるのが、東急不動産HDとの経営統合だ。「重複事業が多い」と指摘されている。
小が大を飲む統合
だが、外野席がはやし立てるほど、ことは簡単ではない。不動産事業では、専業の東急不動産に一日の長があるからだ。
不動産事業の力関係は歴然としている。売上高にあたる営業収益は東急不動産が東急の3倍(東急はホテル・リゾートを含む)、営業利益は2.3倍だ。東急不動産HDの株式の約16%を握る筆頭株主とはいえ、東急が東急不動産を吸収合併すれば、小が大を飲むかたちになり、東急不動産がそれを受け入れるかが注目される。共同持ち株会社を設立して、東急不動産と東急の不動事業を一本化した不動産新会社と、鉄道会社をぶら下げる方式も考えられる。
「大東急」は三井、三菱、住友の御三家に肩を並べる
東急の不動産事業と東急不動産HDの統合が魅力的なシナリオであることは間違いない。不動産御三家に肩を並べることができるからだ。
東急の不動産事業とホテル・リゾート事業、東急不動産HDを合算した売上高は1兆2048億円、営業利益1151億円。売上規模では住友不動産を抜き、三菱地所に迫る。ただ、営業利益が住友不動産の約半分しかなく、収益力で劣るのは難点だ。それでも、不動産御三家から四天王の時代を迎える、またとないチャンスであることは確かだ。東急の高橋社長のリーダーシップ力が問われることになる。
(文=編集部)
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