東京・銀座にあるラーメン店「むぎとオリーブ 銀座店」。
お昼時に会社員らしき人たちを中心とした行列ができていました。
『ミシュランガイド東京2015』(日本ミシュランタイヤ)にラーメン店としては初めて、5000円以下で食事ができるおすすめの店「ビブグルマン」に選ばれました。ミシュランガイドの評価には三つ星、二つ星、一つ星がありますが、ビブグルマンはこうした星の評価からは外れるものの、安くておすすめできる店舗に与えられます。
巣鴨の「Japanese Soba Noodles 蔦」が同書16年版にラーメン店としては初めて「一つ星」の評価をつけて話題となりました。「むぎとオリーブ」は、その先鞭をつけたといってもいいかもしれません。ラーメンを日本のローカルフードから世界のワールドフードへ名実ともに土俵に上げたといっても言い過ぎではないでしょう。
店舗は、打ちっぱなしのコンクリートで構え、ぬくもり感のある木製の看板とドアがアクセントとなり、調和の取れたコントラストのある外装となっています。店内はカフェのような趣で、女性でも安心して入店できる雰囲気があります。フレンチ出身のシェフが食材の産地にこだわって、フレンチのエッセンスを取り入れた独自のラーメンを提供しています。
店内には、いろいろな販促物があります。まずは、「むぎオリSOBAの美味しい食べ方」と「つけ麺の美味しい食べ方」と題した説明書きが目に入ります。
「レンゲの底でスープを押しながら混ぜて頂くと、スープに良く馴染みバランスの取れた最高の状態で、召し上がれます」
「付属のレモンはお召し上がりの中盤にかけて、麺に搾って頂くと、爽やかな酸味が広がり、サラダとの相性も抜群になり、さらに美味しく味が変化致します」
親切にも、おいしく食べるための方法が説明されています。
壁には「日本一こだわり卵」についての解説もあります。
サイドメニューに「卵かけご飯」があるのですが、そのたまごについてのこだわりが綴ってあります。飲食店において、こだわりをアピールすることは非常に大事です。そのこだわりに対して顧客は敏感に反応するものです。
また、『ミシュラン』のステッカーがしっかりと貼られています。
同店のメインメニューは「鶏SOBA」と「蛤SOBA」です。焦点が絞られているので、強く訴求できます。しかも、「鶏」や「蛤」のラーメンはあまり耳にしないので、大きな差別化となっています。中小の店舗では、このような差別化は非常に大事で、明確に差別化ができていなければ数多ある店の中で埋没してしまいます。そういう意味でも、同店は顧客の記憶に深く刻まれるであろうといえます。