朝から夜遅くまで、場所によっては24時間営業している大手ディスカウントストアの「ドン・キホーテ」。生活雑貨に家電、食品といったバラエティ豊かな商品ラインナップと、“驚安の殿堂”というキャッチコピーを体現した低価格に惹かれ、頻繁に利用している人も多いのではないだろうか。
2019年1月に総合スーパー「ユニー」を子会社化し、同年12月6日には「ドン・キホーテ十三店」(大阪市淀川区)がオープンしたことでグループ店舗数が700に達するなど、開業から30年の歳月を経ながらも、その勢いはとどまることを知らない。
そんなドンキでは、「情熱価格」というPB(プライベートブランド)商品が販売されている。安さと高品質を両立させていることで消費者から好評を博している商品が多いが、なかには値段以下のクオリティーだと不評なものも存在する。
そこで今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では、ファミリー型の総合ディスカウントストアとして知られているドンキの系列店「MEGAドン・キホーテ」の販売商品から「この冬、買ってはいけないアイテム5選」を独自調査。あくまで調査班による独断ではあるが、買い物の参考にしていただければ幸いである。
防水救急ばんそうこう 100枚/128円(税別、以下同)
気温が低下し、空気が乾燥する冬は、ひびやあかぎれといった手荒れに悩まされている人も多いだろう。よく洗い物をする人だと、ばんそうこうの使用頻度が増えるのではないか。
「防水救急ばんそうこう 100枚」は、その名のとおり100枚のばんそうこうが入っており、これで128円というのは、一見するとコストパフォーマンスが高い商品のように思える。しかし、“防水”を謳っているにもかかわらず、その性能に疑問を抱いている購入者が目立つ。そのため、指のように水と接することが多い部位に貼るのは向いていないようだ。
また、粘着力にも課題がある。実際に調査班が使用してみたところ、特にパッド部分の上下の粘着力が非常に弱く感じられた。もし購入する場合は、「剥がれたらすぐに貼り替えればいい」と割り切って使うしかなさそうだ。
電子コミックス 読みまくリーダー/9980円
凍てつくような寒さで外出が億劫になる冬は、家の中で読書やゲームをして過ごすのも悪くない。そんなときに活用したくなる、情熱価格の「電子コミックス 読みまくリーダー」には要注意である。
このタブレットのセールスポイントは、新書版コミックスとほぼ同サイズであること。だが、一方で「解像度が低いため画質が粗い」「元から貼られている保護フィルムの品質が悪く、スワイプやフリック操作がしにくい」といった、厳しい商品レビューが集まっている。
また、Wi-Fiによるネット接続が可能なため、音楽や動画の再生にも対応しているのだが、そもそも機体性能がそこまで高くないため、せっかくのコンテンツを存分に楽しみきれないという声も多い。しかしながら、約1万円でタブレットが買えるのは魅力的なので、これらのデメリットに目をつむれるのなら、購入を検討してもいいかもしれない。
貼らないカイロ/498円
防寒対策の定番である使い捨てカイロ。冬の外出には欠かせないという人も大勢いると思われるが、複数のメーカーから多種多様なカイロが発売されており、その品質はピンからキリまでさまざまだ。そんななか、情熱価格の「貼らないカイロ」は、残念ながら“キリ”に分類されてしまうだろう。
この商品は極めてオーソドックスな貼らないカイロで、498円で30個入りという大容量は、さすがドンキと感じさせる。だが、購入者たちの感想によると、“20時間持続”と打ち出している割には、そこまで長持ちせずに冷めてしまうことも少なくないという。
また、開封してから温まるまでに数分かかるうえに、温度もあまり高く上がらないという欠点も指摘されている。そのため、一刻も早く暖を取りたいというシチュエーションでは役に立たないかもしれない。
情熱価格PLUS 360°撮影カメラ搭載ドライブレコーダー/1万2800円
近年、交通事故やあおり運転対策として注目を浴びているドライブレコーダー。帰省や旅行などで長時間ドライブする人は、自分の車にも導入してみようと考えているかもしれない。
「情熱価格PLUS 360°撮影カメラ搭載ドライブレコーダー」は、相場を考えるとかなり安い価格設定ながらも、360度の映像が高画質で録画できることで、発売当時は一部で話題となった。
しかし、強い日差しの下や夜間では映像が撮影しづらく、録画データの再生に手間がかかってしまうという問題点も、購入者から次々と指摘されている。必要最低限の機能は揃っているため決して悪い商品ではないのだが、人によっては不便に感じてしまう場面も多そうだ。
とろけるスライスチーズ/158円
寒い冬は温かい料理が食べたくなるもの。この季節に特に人気なのは、とろりと濃厚なチーズを使った料理だ。だが、情熱価格の「とろけるスライスチーズ」は買い控えたほうが賢明だろう。
このチーズの最大の欠点は、商品名に“とろける”とあるのに、他社製品に比べてとろけにくいこと。加熱してもほとんど原形をとどめたままで、チーズが糸を引くようなこともない。多くの人が“とろけるチーズ”に期待するような食感を味わうのは困難といえる。
また、動物のにおいにも似た、独特の臭みがあることもマイナスポイント。それが逆にクセになるという人もいるかもしれないが、確実においしいチーズ料理をつくりたいというときには、他社製品を選んだほうがいいだろう。
国内のディスカウントストアでは屈指の知名度を誇るドンキのPBだけあって、基本的にはコスパが高い商品の揃った情熱価格。だが、低価格の実現のために機能性がオミットされている部分もあるようで、用途によっては“安物買いの銭失い”となってしまう恐れもある。いくら安い商品だからといってすぐには手を伸ばさず、賢い買い物を心がけたいところだ。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)