2018年8月に食中毒問題を起こし、ブランドイメージに傷をつけてしまったモスバーガー。それ以降、なかなか業績が上向かない状態が続いていたが、新しいハンバーガーメニューの投入や人気のタピオカを使用した新商品の発売といったさまざまな取り組みによって、落ち込んだ売り上げを徐々に回復。19年4~9月期の連結決算では最終損益が4億200万円の黒字を記録し、前年同期の1億1000万円の赤字から転換を果たしたという。
モスは、ほかのハンバーガーチェーンでは食べられない商品や、価格は安くないもののしっかりと高品質なメニューを取り揃えることで、着実にファンを増やしてきた。しかし、その商品ラインナップのなかにはコストパフォーマンスがあまりにも悪いものや、万人の口には合わないものも混ざってしまっている。
そこで今回は、ネット上の評判や実際に試食した結果をもとに「この冬、買ってはいけないモスの商品5選」をピックアップした。この記事を読み、商品選びで失敗しないようにしていただきたい(価格は税別)。
ハンバーガー/204円
「モスチーズバーガー」(371円)や「チリドッグ」(325円)など、オーソドックスな商品がおいしいと評判のモスだが、なかにはハズレと思えてしまうメニューも含まれている。
その代表格が、プレーンな「ハンバーガー」。モス特有のふんわりとしたパンに対し、ケチャップとマスタードで味つけされたハンバーガーパティでは力不足な感が否めないようで、ネット上には「パサパサしている」「味が物足りない」といった不満の声が上がってしまっているのだ。
これを頼むのであれば、「この冬、買うべきモスの商品5選」で紹介した「モスチーズバーガー」を注文したほうがベターだろうし、プレーンなハンバーガーを食べたいのなら、ほかのハンバーガーチェーンを利用したほうが無難だろう。
モスの菜摘(なつみ)海老カツ/362円
19年5月に掲載した「この春、買ってはいけないモスの商品」の記事では「モスの菜摘(なつみ)モス野菜」について、非常に食べづらく、置いておくとぬるくなってしまうメニューだと紹介した。
しかし、とてもヘルシーで野菜不足を補える「モスの菜摘」シリーズを注文したいという人も多いはず。室内かつ購入後すぐに食べられる状況なら、それほど問題がないようにも思えるのだが……「モスの菜摘(なつみ)海老カツ」だけは避けたほうがいいかもしれない。
大量のレタスで海老カツを挟んだこのメニュー。海老カツの味があっさりとしており、どうしてもレタスに負けるため、バーガー全体がかなりの薄味に感じられてしまうのだ。“超あっさり好き”という限られた人にしかおすすめできない商品だといわざるを得ないだろう。
【毎週金曜日限定】ごちそうチリバーガー 2種のチーズ 10:30am~/510円
「【毎週金曜日限定】ごちそうチリバーガー 2種のチーズ 10:30am~」は、その名の通り、毎週金曜日にだけ注文できる限定メニュー。18年7月の企画開始当初は半年間で終了となる予定だったものの、その評判のよさから、結果的には1年以上続く人気企画となっているようだ。
ハンバーガーパティの上に厚切りトマトとオニオンフライが乗せられており、ボリュームは十分。モスオリジナルの国産チーズや、辛みだけではなくうまみも感じられるホットチリソースなど、一つひとつの具材のクオリティも高い。なるほど、確かに人気の理由もわかるのだが……。
このメニューの問題点は、バーガーにたっぷりと入ったホットチリソースだ。ホットチリソースは体を内側から温めてくれ、冬にぴったりといえるものの、このソースのせいでバーガーが非常に食べにくくなってしまっている。完食する頃には、こぼれたソースで袋がいっぱいになってしまうため、ソースをすくって食べる用のポテトをあらかじめ注文しておくといいだろう。
ブレンドコーヒー/232円
次に紹介するのは、モカをベースにさまざまなコーヒー豆を加えた「ブレンドコーヒー」だ。「マイルドな口あたりで、飲みやすく長く余韻が残る味わいに仕上げています」という公式サイトの説明に偽りはないらしく、ネット上の書き込みを見る限り、味についてはおおむね好評のようだ。
ただし、コスパ的には疑問がある。重量180gで232円+税という価格設定は、標準製品重量175gで税込み100円というマクドナルドの「プレミアムローストコーヒー(S)」と比べれば、かなり強気ではないだろうか。
当日中にブレンドコーヒー購入時のレシートを持っていけば、91円+税で2杯目をおかわりできるというサービスも行っているが……それを利用したとしても、決してコスパがいいとはいえないだろう。
デザートシェイク 香るラベンダーゼリー&グレープ/325円
19年9月より、20年3月中旬までの期間限定デザートとして新登場した「デザートシェイク 香るラベンダーゼリー&グレープ」も、不評の声がネット上に相次いでしまっているメニュー。
鮮やかな紫色をしたこのシェイクにはラベンダーゼリーが入っているため、飲むというよりも、スプーンで食べるスイーツだと思ってほしい。さっぱり感のあるバニラシェイクや甘酸っぱいグレープソースだけを取り上げれば、大いに万人ウケする商品といえそうだ。
しかし、ゼリーにつけられたラベンダーのにおいが大問題。芳香剤や消臭剤を想起させる香りなので、鼻で嗅ぐ分にはよかったものの、いざ口に含んだときに嫌悪感を抱いてしまったという人が少なくないようである。好き嫌いがはっきりと分かれてしまうメニューなのは確かだろう。
――以上、「この冬、買ってはいけないモスの商品5選」を紹介した。モスは個性的なメニューが目立つので、注文の際には注意が必要だ。せっかく足を運んだのに後悔してしまわないよう、この記事を参考にしてほしい。
(文=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)