コンビニスイーツの台頭もあってか、業績の低迷がたびたび報じられているミスタードーナツ(以下、ミスド)だが、昨年11月に新商品「ミスドゴハン」を発売し、起死回生を図っている。
メニューは2018年2月末時点で「ホット・セイボリーパイ」4種、「ホット・スイーツパイ」2種、「トッピング・ホットトースト」2種、「セイボリーサンド・ドーナツ」3種、「ホットドッグ・ホットサンド」3種、「パスタ」4種、「クリームイン・マフィン」3種という全21種。価格は税込172~734円となっており、他のミスドのメニューに比べると、明らかに高めの設定である。
その分、どのメニューも見るからにボリューミーで、食後しばらくは腹持ちしてくれそうな印象を受ける。“ゴハン”というネーミングからもわかるように、おやつ感覚でつまむというよりは、朝食やランチのメインとして食べたくなる商品ラインナップになっているのだ。インターネット上では、「おいしい」「ハマりそう」「値段が高い」「パン屋のほうが上」と賛否両論があるようだ。
そこでミスドゴハンの実態を確かめるべく、とある平日の12時過ぎ、筆者は東京都新宿区の某店舗で実地調査を敢行。
「クラムチャウダー」や「たまごマヨ」といったメニューは在庫がだいぶ減ってきており、売れ行き好調な様子だった。筆者は「フランクフルト」と「ハムタマゴ」の2商品を注文し、それぞれ店員にオーブンで温めてもらってから実食。
あくまで個人的感想だが、スーパーなどに売られている総菜パンのクオリティーを、一段階高めた商品のように思えた。劇的においしいわけではないが妙な豪華さもあり、それをミスドの落ち着いた店内でいただくというのは、今までになかった経験かもしれない。
いったいミスドは、どのような狙いでミスドゴハンの提供を始めたのか。その狙いは、果たして成功するのか。フードアナリストの重盛高雄氏に話を聞いた。
テイクアウトするよりも店内で食べるべき?
まず、今回のミスドゴハンの第一印象について、重盛氏は「ミスドが非常に新しい取り組みをしているように感じた」と語る。
「世の中には、“ドーナツ=スナック”というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。しかし、私が実際にミスドゴハンの一部商品を試食してみたところ、想定以上のボリュームがありました。“ゴハン”と銘打っている通り、どのメニューも、きっちりとした栄養価や食べ応えを兼ね備えています。