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東芝とGE、火力発電事業で提携へ 原発含めた重電業界再編の可能性も

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東芝とGE、火力発電事業で提携へ 原発含めた重電業界再編の可能性もの画像1東芝本社が所在する東芝ビルディング
(「Wikipedia」より)
 本日(1月24日)付日本経済新聞朝刊は、東芝と米ゼネラル・エレクトリック(GE)が、火力発電設備の開発・販売での提携を決定したと報じた(記事『東芝・GE 火力で合弁』)。GEはガス火力発電設備の中核機器・ガスタービンの世界シェアが35%。一方の東芝は、タービンから電気を取り出す発電機などの主要設備や発電所の建設でも多くの実績がある。同報道によれば、両社は今後、高効率で天然ガスから発電する「ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)」という火力設備を共同開発するという。

 目的の1つは、販売における協力。東芝は日本をはじめとするアジア、GEは米国や欧州などに強い営業網を持つため、相互補完を目指す。

 OECDの予想によれば、2035年までに世界で発電設備に投資される金額は約850兆円。その中でも、「シェールガス革命」によりガス価格が長期的に低水準で推移する見通しが強いため、天然ガスを燃料とする火力発電所が主役になると見られている。

 また、今回両社が提携を決めた背景には、昨年11月に三菱重工業と日立製作所が、火力を含む発電設備事業の統合を決め、新たな対応を求められたということもあるという。

 東芝は、06年に米ウェスティングハウス(WH)を54億ドルで買収するなど、原発事業に注力してきた。しかし、日本では東京電力の原発事故後、原発の新設は難しい状況で、火力発電所の新増設計画が数多く進んでいる。米国では原発新設計画が撤回されるなど、ガス火力へのシフトが進み、世界的にもガス火力の発電が増えそうな情勢になってきたため、同分野に経営資源を振り向ける。

 今回の提携により、世界の重電業界全体の再編成が進むとの見方もある。火力発電の拡大で原発新設が低迷すれば、重電各社の原発事業の見直しにも及ぶ可能性があるためだ。焦点は日立と三菱重工の動向。原発分野においては、日立はGEと事業統合し、三菱重工は仏アレバと提携しているが、日立と三菱重工は原発分野での協力を模索していると言明しているため、本格的な提携に進展する可能性もある。 
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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