(「Wikipedia」より)
目的の1つは、販売における協力。東芝は日本をはじめとするアジア、GEは米国や欧州などに強い営業網を持つため、相互補完を目指す。
OECDの予想によれば、2035年までに世界で発電設備に投資される金額は約850兆円。その中でも、「シェールガス革命」によりガス価格が長期的に低水準で推移する見通しが強いため、天然ガスを燃料とする火力発電所が主役になると見られている。
また、今回両社が提携を決めた背景には、昨年11月に三菱重工業と日立製作所が、火力を含む発電設備事業の統合を決め、新たな対応を求められたということもあるという。
東芝は、06年に米ウェスティングハウス(WH)を54億ドルで買収するなど、原発事業に注力してきた。しかし、日本では東京電力の原発事故後、原発の新設は難しい状況で、火力発電所の新増設計画が数多く進んでいる。米国では原発新設計画が撤回されるなど、ガス火力へのシフトが進み、世界的にもガス火力の発電が増えそうな情勢になってきたため、同分野に経営資源を振り向ける。
今回の提携により、世界の重電業界全体の再編成が進むとの見方もある。火力発電の拡大で原発新設が低迷すれば、重電各社の原発事業の見直しにも及ぶ可能性があるためだ。焦点は日立と三菱重工の動向。原発分野においては、日立はGEと事業統合し、三菱重工は仏アレバと提携しているが、日立と三菱重工は原発分野での協力を模索していると言明しているため、本格的な提携に進展する可能性もある。
(文=編集部)