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なぜ成功する人はスーツを着るのか?オーダースーツ購入で失敗するNG行為とは

構成=石徹白未亜/ライター
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「gettyimages」より

 初回1万9800円からの低価格でオーダースーツを提供する、株式会社オーダースーツSADA前編に引き続き、今回も同社の佐田展隆代表取締役社長に、オーダースーツを注文するときにやってしまいがちな「もったいないこと」や、近年「非スーツ」「非ネクタイ」な若手文化人や著名人が増えるなか、あえて「スーツの魅力」について聞く。

強すぎるこだわりはNG?

――オーダースーツを注文するとき、「こうするのはもったいない」というポイントがあれば教えてください。

佐田展隆氏(以下、佐田) 特に男性で多いのは、既製品のお気に入りのスーツを着てらっしゃって「このスーツでぴったりなんだ、これに合わせてつくって」と強く言い切られてしまうケースですね。そうなると、当社のスタイリストがオーダースーツとして腕をふるう余地が限定されてしまうんです。

 ヌード寸(肩幅、胸幅、ウエストなど)を測った上で、このお客様の場合、どこにどのくらいのゆとりを設ければ、着心地が良くシルエットも美しく決まるのかを把握していく作業こそが、オーダースーツにおける採寸なのです。

 そのため、「今着ているスーツのこれがいいんだ!」と強く打ち出されるよりは、柔軟にスタイリストと会話をしていただくほうがいいものができると思っています。

――「俺のこだわり」でなく「餅は餅屋」ですよね。

佐田 また、ぜひスーツを着てご来店いただければと思います。そして、「このスーツはお気に入りなんだけど、背中にしわが寄りがちなんだよね」「なんか、手が上がりにくいんだよ」などと、思うことについて聞かせていただければと思います。

――あと、特に若年層でスーツに過剰な細身信仰があったりしますよね。

佐田 細身のスーツについては、ある程度年齢を重ねてポジションが上になっていくと、今度は「軽く見られるようになってしまった」と言う方もいらっしゃいます。その場合、入れるべきところに適切なゆとりを入れて「堂々たる」雰囲気や「信頼感」を生み出すように、スタイリストが調整します。

――SADAさんでは、女性のオーダースーツも手がけていらっしゃいますよね。

佐田 はい。ビジネスファッションで女性が許される範囲って、男性より広いですよね。

――広いゆえに、何を着ていいのかわからないという悩みは男性より強いかもしれません。

佐田 当社でも、「出世したので」とお仕立てに来られる女性の方は多いですね。役員会議のときはちゃんとした服装をしないといけないとか。女性のスーツの場合、男性に比べてサイズの幅がかなり少ないですから、既製品ではお直し代がかかってしまって、という方に、特にオーダーは喜ばれています。

スーツを着ることは「最上級のおもてなし」

――最近、若年層の文化人やビジネス系の著名人を見ると「ノンネクタイ」を超え、Tシャツ姿など「ノンジャケット」な方も増えてきました。「自分はスーツ的な働き方をしないんだ」という意思表示のようにも見えますが、そのようななかで、あらためて「スーツの魅力」とはなんでしょうか?

佐田 スティーブ・ジョブズもどきのような服装のビジネスマンもいますが、ジョブズは「伝統の反逆者」の演出として、あの黒いタートルネックにジーンズという服装をしていたんです。さらに、選び抜いたタートルネックとジーンズをはいていました。

――ジョブズが抱いていた理念を無視し、またジョブズほどの功績もないのに、「楽だし安いし」とジーンズで得意先を訪問するジョブズもどきは、確かにダメですね。

佐田 ビジネススーツはヨーロッパの文化のなかでつくられてきたもので、ビジネスシーンにおいて相手への敬意を表す、最上級のおもてなしの服装です。各国の首脳会談では、みなさんスーツですよね。人民服がある中国の習近平国家主席も、首脳会談ではスーツを着ています。ヨーロッパスタンダードがグローバルスタンダードになっているんです。

 スーツは最上級のおもてなしアイテムですから、「会っていただきありがとうございます」「あなたに敬意を示しています」という思いを伝えないといけない場においては、もっともふさわしい服装です。ただ私は、日本人はもともと相手に礼を尽くすという気持ちは強いと思っているんです。

――なぜそれが、今のスーツ離れのように揺らいできたのでしょうか?

佐田 これは最近の流れではなく、私の祖父は「バブル時代に変わってしまった」と嘆いていました。スーツ離れや服装の乱れの根本にあるのが「おしゃれ」と「おもてなし、礼儀」が乖離してしまったことにあると思います。

「おもてなし、礼儀」としてのおしゃれでなく、「モテたい、目立ちたい、お金を持っているように見られたい」から着飾ることが「おしゃれ」になってしまった。これはファッション誌の罪だと思っています。

――今だと、さらに「楽したい」も入ってきますね。「モテたい、目立ちたい、お金を持っているように見られたい、楽したい」は結局、すべて自分本位で相手が不在ですね。

佐田 そういった感覚が世の中に蔓延してしまったので、おもてなしの心からおしゃれをしている人がいても、「モテたい、目立ちたい、お金を持っているように見られたい」からおしゃれしてるんだろ、とやっかまれたりする。「きちんとした格好をすることは逆にかっこ悪い」と思っている日本人が多くなってきているのではないでしょうか。

――スーツなんかパリッと着ちゃって、モテたいの? 意識高い系なの? みたいなやっかみ、出過ぎた杭を打ちたい発想はなんとも日本的ですね。

佐田 『Think CIVILITY「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』(クリスティーン・ポラス/東洋経済新報社)という本があるのですが、この「礼儀正しさこそ最強の生存戦略である」という言葉に私はまったく同感です。

 スーツを着ているだけで相手に礼を尽くしているんです。そういうことができる人のほうが、ビジネスでは成功すると思っています。同じ商談をするにしても、第一印象がいい人のほうが当然スムーズにいきますよね。

 日本人にはもともとそういう精神性があると思いますので、今はちょっと服装の乱れが行くところまで行ってしまったので、逆にこれから揺り戻しが来るのではないでしょうか。

 前編で、福利厚生としてオーダースーツを社員に支給する会社さんが増えてきているというお話をしましたが、これも「今のビジネスファッションは何かがおかしい、だらしがない」と思われている方が増えていることの表れだと思います。そして、そんな今だからこそ、きちんとビジネススーツを着こなすだけで、まわりと大きく差をつけることができるんです。

――服装が乱れている今のビジネスシーンだからこそ、ちょっと気を遣うだけで大きく差が出せるんですね。

佐田 はい。今後も「おしゃれはおもてなし」という考えの復権に努めていきたいと思います。

(構成=石徹白未亜/ライター)

石徹白未亜/ライター

石徹白未亜/ライター

ライター。得意分野はネット依存・同人文化(二次創作)・ファッション。ネット依存では自身の体験をもとに書籍『節ネット、はじめました』(CCCメディアハウス)を執筆、NHK『ハートネットTV』、フジテレビ『バイキング』、朝日新聞、週刊文春等メディア出演多数。個人に向けたスタイリストとしても活動しており、著書に男性スーツ本『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。』(CCCメディアハウス)。ユニ・チャーム株式会社でのスーツ着こなしセミナーなど、ファッション研修も多くの実績あり。おうち大好きインドア派。同人誌と串揚げとしめさばとビールで生きてます。
●「主なプロデュース作品
『何になりたいかわからないけど就活を始めるあなたへ まず自己分析をやめるとうまくいく』辻井啓作(高陵社書店)
『自分のイヤなところは直る! 』牧野秀美(東邦出版)
『英語がサクッと口から出る 英語の「筋トレ」4センテンス繰り返しCDドリル 初級編 』渡部泰子(主婦の友社)

Twitter:@zPvDKtu9XhnyIvl

『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』 「使えそうにないな」という烙印をおされるのも、「なんだかできそうな奴だ」と好印象を与えられるのも、すべてはスーツ次第! amazon_associate_logo.jpg

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