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権力闘争の舞台だった赤プリ
旧赤坂プリンスホテルは「赤プリ」の愛称で親しまれてきた。
1955年、衆院議長も務めた西武グループの総帥、故堤康次郎氏が旧韓国王室邸を借り受けてオープンした。自民党最大派閥の清和政策研究会が長年、ここに拠点を置いていた。派閥創設者の故福田赳夫元首相が堤氏と親しかったためといわれている。割安な賃料で事務所の提供を受けたという。
62年に福田元首相が清和会を結成して以来、赤プリ内に事務所を設置。同会からは森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫(福田赳夫氏の長男)各氏が4代続いて首相に就任した。その後、野党に転落した自民党は政権を奪取し、清和会の安倍氏が首相に帰り咲いた。
田中角栄、福田赳夫両元首相による「角福戦争」など、派閥全盛時代に赤プリは数々の権力闘争の舞台となった。
福田赳夫氏が堤義明氏の媒酌人を務めた関係から、堤氏は清和会の資金パトロンだった。87年に竹下登、安倍晋太郎(安倍晋三首相の父)、宮沢喜一の3氏による中曽根康弘元首相の後継争いが起きた時には、堤氏は安倍氏の後ろ盾として活躍した。この頃が堤氏の全盛期だった。
堤氏そのものといっていいかもしれない赤プリの跡地にプリンスギャラリーを開設するのと時を同じくして、西武HDは堤家との関係を断った。
創業者の堤康次郎氏が末永く堤家が支配することを目指した「西武王国」の幕引きを、堤義明氏自身の手で行うことになったのは歴史の皮肉か。
(文=編集部)
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