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西武王国終焉…負の呪縛・創業家と赤プリと完全決別、跡地の新ホテルは1泊59万円

文=編集部
西武王国終焉…負の呪縛・創業家と赤プリと完全決別、跡地の新ホテルは1泊59万円の画像1旧グランドプリンスホテル赤坂新館(「Wikipedia」より/Wiiii)

 西武鉄道を中核とする西武ホールディングス(HD)は創業家との関係を解消した。西武グループの元総帥、堤義明氏ら旧経営陣が2月、直接および間接保有する西武HD株すべてを手放す意向を表明したためだ。

 西武HDをめぐっては、グループ再編前の西武鉄道が2004年12月に有価証券報告書の虚偽記載で上場廃止となり、株主が株価下落や上場廃止に伴う損害賠償訴訟を提起した。これまでに西武HDは合計309億円(元本226億円+利子83億円)を支払った。株主に支払った元本分についての負担を旧経営陣に求めていた。

 堤氏側が賠償額の弁済を申し出た。堤氏は西武HDを通じて「会社に生じた負担については私が負うべきだ」とコメントした。

 賠償額は堤氏らが保有するNWコーポレーションの全株式を売却して捻出する。NWは、05年のグループ再編に伴い設立した持ち株会社で、西武HD株の発行済み株式の14.95%を保有する第2の株主。堤氏や従業員持ち株会などが出資し、堤氏個人はNW株式を約36%持っている。

 堤氏らは、これらNW株式を248億円で西武HD側に代物弁済。堤氏は個人名義で保有している西武HD株式も7億円で売却し、持ち株はゼロになった。堤氏らが支払う額は255億円に上り、利子分の一部も負担するかたちになる。

 これに伴い、西武HDが100%出資する連結子会社の西武鉄道とプリンスホテルがNWの株式を議決権比率で43.48%取得した。会社法308条の規定により、NWは西武HDに対する議決権がなくなった。

 西武HDは14年4月に再上場。米サーベラスは保有株式を売却して投資分の回収に入った。マーケットでは、NWを拠点に創業者一族の堤氏が「お家再興」を目指すとみられていた。そのため今回、堤氏が保有する西武HD株を手放したことは大きな衝撃を与えた。

255億円の特別利益を計上

 西武HDは賠償費用の回収に伴い16年3月期決算で255億円の特別利益を計上する。純利益の見通しを前期比39.6%増の487億円と、従来予想(365億円)から122億円引き上げた。車両基地の整備計画の廃止に伴う特別損失が発生するが、それを吸収して過去最高を更新する見込みだ。

 16年3月期の営業収益は前期比4.9%増の5054億円、営業利益は28.2%増の636億円と増収増益の見通し。訪日外国人の増加を背景にホテル事業の稼働率や単価が改善。ホテル部門の営業利益が増加する。

BusinessJournal編集部

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