道を知らないタクシー運転手の教育はどうなってるの?東京無線さんに直撃取材!
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人気放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を直撃解決!する連載「だから直接聞いてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載されていた同企画(宝島社より単行本となって発売中!)が、ビジネスジャーナルにて復活!
今週は山名宏和氏が、道を知らないタクシー運転手に関して、どんな教育をしているのか、怒りをぶつけた!
[回答者]公益財団法人東京タクシーセンター 様、東京無線お客様相談室 様
会議室を出たのは朝の5時過ぎだった。会議がはじまったのが、前日の夕方5時だったから、ちょうど12時間、窓のない部屋に軟禁されていたことになる。普通ならば夜食のひとつも出るところだが、制作費をけちっているのかそれもなく、疲労困憊、空腹、そして眠いの三重苦。
しかし、通りに出ても車の影はない。日曜日の明け方。もっともタクシーの少ない時間である。
数分してようやく空車のタクシーがやってきた。ようやく帰れると思って乗り込む。すると、行き先を告げる前に運転手から切り出された。
「まだ2日目なんですけど、よろしいですか」
嫌な予感がしたが、ここで降りたら、次の車が来るまで、寒い中、また待たなければいけない。このまま、そのタクシーで行くことにした。
「世田谷通りはわかりますか?」
今いる場所から数十メートルも走れば青山通り。そこから真っ直ぐ246を三軒茶屋まで行って、斜めに入れば世田谷通りだ。単純な道筋である。だが、運転手は申し訳なさそうに答える。
「すいません」
乗りかかった舟、いや、タクシーだ。仕方なく、道案内をしていく。渋谷を越え、やはり淡島通りで帰ろうと思い、神泉の交差点はわかるか聞いた。
「すいません」
やっぱり。
本当は車中で眠って帰ろうと思ったのだが、結局、家に着くまで道案内を続けなければならなかった。
こういうタクシー運転手は意外と多い。すべての道を知っていろとは言わない。しかし、主だった建物、駅、通りなどは知っていてもいいのではないか。
そこで気になるのは、タクシー運転手はどれぐらい都内の道について教育を受けているのだろうか。時どき、研修中のタクシーを見かけるが、運転や接客を指導をしているのはわかるが、道についてどこまで教えているのかわからない。
そこで公益財団法人東京タクシーセンターに直接聞いてみた。
『タクシーの運転手はどれぐらい都内の道を勉強してから実際にタクシーを運転するようになるんですか?』
担当者 わたくしどもでですね、地理試験というのを受けていただくんですよ、初めての方は。その地理試験を合格しないとですね、いくら2種免許を持っててもわたくしどもではタクシーの運転はできないんですよ。
──そのテストは点数制なんですか?
担当者 筆記のテストでね、あのー、何点以上っていうのがあるんですよ。かなり難しくてですね、合格率もかなり低いと聞いております。
──でもたまに駅とか、大きい通りでもわからない運転手さんっていると思うんですけど?
担当者 わたくしどもの地理試験を合格しても、その後は各タクシー会社さんの方で研修というのがあると思うんです、脇に先輩に乗っていただいてですね。研修期間が各タクシー会社さんであると思うんですけどもね。
どうやら研修そのものについては、タクシー会社に聞いたほうがよさそうだ。
そこで今度は東京無線お客様相談室に直接聞いてみた。