7月1日、職人による手作りの革かばんを製造・販売する土屋鞄製造所が来年4月分のランドセルを発売した直後、販売するサイトにアクセスが殺到して閲覧しづらい状態になったことがニュースとなったが、近年そのランドセルについて問題視する声があるという報道が話題を集めていた。
ランドセルの高額化により家計への負担が大きくなっているというのである。
日本鞄協会ランドセル工業会が発表しているデータによると、ランドセルの平均価格は1970年頃には6000円程度だったそうだが、2014年には平均価格4万2000円となっており、半世紀弱で価格は約7倍にまで膨れ上がっている。ブランドもののランドセルともなれば5万円以上は当たり前、なかには10万円以上する高級シリーズも存在するようだ。
そういった状況から、経済的な余裕のない家庭などでは、数万円の出費が生活を逼迫させているというのである。それならば親戚や知人などから使わなくなったおさがりのランドセルをもらって使用すればいいとの考えもあるだろうが、真新しいランドセルのなかで古びたランドセルは目立ってしまい、クラス内のいじめの原因に発展する恐れもあるという。
「7万円」で購入もむしろ祖父母は大喜び
しかし、果たして本当にランドセルの高額化が新一年生を持つ家庭を経済的に苦しめているのだろうか。今年4月に公立小学校に入学した子を持つ一般家庭の保護者に話を聞いた。
「正直、“ランドセル購入で生活が逼迫”という話はピンとこないです。全体的に高額化しているのは事実ですが、インターネット通販サイトなどで探せば、1万円前後のランドセルもたくさんあります。家庭によっては1万円でも高いのでしょうけど、毎年買い替えるものではなく一度購入してしまえばもう買う必要はないものなので、ランドセルひとつで生活費が追い詰められるといった報道には違和感を覚えます」(40代男性/小学1年生の保護者)